2015年09月23日

ラグビー雑感


 9月21日、ラグビーW杯で日本が優勝候補の南アフリカに勝ったというので、日本中が湧いた。
 私も日本が堂々勝ったなら悪い気はしないが、もともとラグビーが嫌いなのでどうでもいい。

 ラグビーが嫌いになったのは高校時代に遡る。体育の授業でラグビーを教わった。教わったとはいえ、直接教えた者は体育の教師ではなくて、ラグビー部の同級生だった。
 体育教師は手抜きをしたのと、人数が多くて手取り足取り教える余裕がなく、知識のあるラグビー部のやつなら初心者は教えられるだろうと思ったのだろう。

 そのラグビー部の男は、いつもシンナーやタバコをやっていて、目が死んでいるヤクザのヒットマンそのものという奴だった。学業成績はオール1に違いなく、常に虫の居所が悪くて「おはよう」と言っただけで殴られそうな雰囲気だった。
 そういうクズに指導を任せたのだから、体育教師も頭が悪過ぎた。

 奴は当然、自分より勉強ができる同級生をいたぶりにかかった。授業なのに、怒声を上げるばかりで「教える」態度ではなかった。
 それ以来、ラグビーを嫌悪するようになった。

 私の高校は世間的には「お坊ちゃん学校」などと揶揄されたけれど、実態はどこの高校にも行けなかった非行少年が、親が金満家だから多額の裏金を払って裏口入学してきていた。

 「お坊ちゃん学校」という軽蔑的表現は見当違いで、それは言わばメッキである。中身は私学という名の集金機関だ。それゆえ、一応勉強はまじめにやろうという生徒は半数、あとはやる気がないか、もろに不良たち。

 だから心ある教師たちは、そうした不良どもからまじめな生徒を守るのに懸命だった。

 ラグビーは紳士のスポーツなどと言われるが、そんなことはあるまい。高校でいえば、よほどの進学校は紳士的にスポーツとしてやっていると言えるかもしれないが、二流三流の高校になると不良の溜まり場で、公然と取っ組み合って暴力が振るえるからやっている者ばかりになる。

 他県は知らないが、首都圏ではラグビー強豪校と言われる高校は、そりゃあもう普通の神経では行きたくない学校、恐ろしい不良の溜まり場と世間では認識されていた。
 日本では野球やサッカーに比べるとラグビーに人気がないのは、そういう背景があったからである。

 本家の英国ではいかに紳士のスポーツと言おうと、ケンブリッジやオックスホードを出た連中が、世界中で残虐きわまる植民地支配をやりつづけた。彼らジェントルマンは、血で血を洗いながら、平然とやましさのカケラもない人間になった。その奴らが好んだのがラグビーである。

 周知のようにラグビーは、英国のラグビー校が発祥のフットボールである。これは日本で言うと中高一貫校である。初めは村のお祭りに、2チームに分かれ、ざっとしたゴールにボールを持ち込んだほうが勝ち、とし、村中の人間数百人もが入り乱れて、タックルはもちろん、殴打も踏みつけもなんでもあり。なかには家屋を壊し、財貨を盗み、ケガ人続出の無法状態だった。

 為政者は、そういう野蛮な騒動をおおっぴらにやらせることで、住民の不満のガス抜きをやった。それをイギリス人は植民地にも持ち込み、原住民に暴れさせて息抜きとしたので、その伝統が英国植民地に残る。

 今度のワールドカップの出場国をみれば、その傾向の一端は垣間見られる。
 強いところは、英国(イングランド、スコットランド、ウェールズ)とその植民地だったところだ。
 ニュージーランド、南アフリカ、サモア、オーストラリア、アメリカ、フィジー、ナミビアなど。

 ワールドカップというから、一応世界中からかき集めているが、基本は英国連邦が主導権を躙る。つまり英連邦の運動会だが、世界に広げてカネを儲けようとの魂胆である。
 日本のラグビーが実力をつけたことは確かなのだろうが、奇跡のように強豪南アフリカを破ることができたのは、4年後に日本でW杯を開催するからではないのか。

 2002年のサッカーW杯がそうだったように、大イベントを持ち込むことで日本人のラグビーの関心を高め、スポンサーを付けやすくして、大儲けをできるようにするためであろう。
 今回のラグビーでまたも惨敗、日本チームは世界レベルにはとうてい叶わないとして撤収させるより、南アあたりに言い含めて負けてやることによって、一気に日本人が有頂天になって、ラグビー人気を高められる。

 サッカーW杯では、アジア枠では日本や韓国を予選で勝ち抜かせて、本大会に出場させないと、FIFAにはカネ(広告料や放映権収入)がはいってこない。FIFAにしてみると、カネもなければ国民の関心も低いアジアの国に勝ってほしくないのである。

 今回のラグビーでは、日本チームに世界的な名伯楽と称されるエディ・ジョーンズ・ヘッドコーチが指導して、飛躍的に上達させたと言われる。
 それは確かなのであろう。しかしW 杯寸前に大会が終わったら日本チームを辞め、古巣の南アチームの指導者に戻ると宣告した。

 理由は明らかにされていない。ただ何か…国際ラグビー評議会(IRB)の思惑がなにかしらあってもおかしくないだろうなと思うだけ。
 ラグビーのファンは、純粋にいい試合が見られて良かった、しかも日本が勝ったと喜べばいいじゃないかとお怒りになる向きもあろうが、オリンピックにしてもサッカーにしても、スポーツ界とはそんなキレイ事の世界ではないことは知っておいたほうがいい。

 冒頭の私の高校時代のラグビー経験で言い残したことがある。
 体育教師はラグビーの「ラ」の字も知らない生徒に、しかもあまりやる気のない生徒に、部活でラグビーをやっている同級生や上級生に指導を丸投げするのは、最低の所業である。しかもそいつが暴力団さながらであればなおのことだが、真面目な指導者であっても、絶対にやってはいけない。

 それは指導の根幹である。
 私の空手流派では、例えば大学では入学して来た初心者には、絶対に先輩に指導させてはいけないと言われている。必ず監督が直に指導に当たれ、と厳命される。
 いうまでもなく、初めが肝心だからである。

 監督や指導者が初心者に絶対服従を叩きこまねばならず、尊敬を克ち得なければいけないからだ。先輩が指導してもできないことはなかろうが、それは形ばかりは…でしかない。魂が注入できないのだ。
 
 ある程度、練習に慣れてきたなら上級生の、技の見本となり得る者に部分的に任せることは出来てはくるが、それをも厳しくチェックしていなければいけない。
 なにしろ、指導者とは指導したくてしょうがない者であって、三度の飯より指導が好きでないと務まらない。
 どんな理由があれ、他人任せにできるなら、その時点で指導者失格、教育者落第である。





posted by 心に青雲 at 04:00| 東京 ☀| Comment(4) | エッセイ | 更新情報をチェックする