2016年01月27日

広瀬すずの“スタッフ蔑視”発言に思う


 タレントの広瀬すずが、テレビ「とんねるずのみなさんのおかげでした」のなかで、カメラマンや音声係を軽視する発言をしたとかでいっとき騒動になった。昨年6月ころの話であった。
 私は最近、YouTubeで武田邦彦氏の「広瀬すず擁護」の話を聞いて知った。

 広瀬すずは、
 「どうして生まれてから大人になったときに、照明さんになろうと思ったんだろう?」
 「なんで自分の人生を女優さんの声を録ることにかけているんだろうって考えちゃう。きっと大人になって年齢を重ねるとともに、本当にこう棒を…声を録るためだけでいいのって」
 と発言した。これに石橋貴明と木梨憲武が大ウケした。
https://www.youtube.com/watch?v=O7R5vU-yRIU

 さらに広瀬は、スケジュール担当やロケバス運転手についても、「どうして?」を連発。放送後、視聴者から「裏方を軽視している」と非難囂々の声があがり、ネット上でも大騒動になった。広瀬は自身のツイッターとブログで謝罪したそうだ。

 また、どうしてそんな汚れたナリをして、生涯の裏方の仕事をやっているのかとも発言したらしい。
 テレビのことなどどうでもいいし、そんな番組を見ている大衆はアホである。ましてわざわざバッシングするほどの話ではない。
 
 はじめにことわっておくと、広瀬すずはかわいい顔してチヤホヤされている。生まれつきかわいい顔だから、ほとんど努力して手に入れた能力で評価してもらっているのではない。まあそういう幸運な女性がいてもいいだろう。

 だからちょっと増長しているとは言えるだろうし、なにせまだ17歳だそうだから、世間を知らないのも無理はないかも。それにしても高校生なら、言っていいことと悪いことがあるってことくらいは承知していないと…という微妙な年頃だ。
 あるいは、広瀬はマネージャーに言われて、座を盛り上げるため指示通りに大胆に言った、または毒舌タレントとして、さらには天然ボケとして売る予定だったのかもしれない。

 まあ大甘に見て、年端もいかない少女だから許すレベルである。

 しかし、広瀬は世間がわざと触れない機微に、やや無造作に斬り込んだのである。でも広瀬の発言に、テレビの裏方がムカッとしたなら、それはかえってみじめであろう。
 世の中には表舞台に立てる奴と、それを支える裏方がいる。それが理不尽だと怒っても、未来永劫世の中変わりはしない。

 理不尽だと思うなら、自分が頑張って世にでるしかない。持ちつもたれつだ、職業に貴賤はない、などとは言うものの、それは嘘である。
 芥川龍之介やサマセット・モーム、山本夏彦あたりの随筆にそういう人間の嘘、ごまかしが皮肉ってあるのではないか。
 
 テレビ局のスタッフがどんなだらしない格好をしているか、私は直に見たことがない。学生のころアルバイトでテレビ局に行ったことはあるが、最近は知らない。だが、広瀬すずが目の前の裏方スタッフを見ながら、純真素直に感想を言ったのは、良い問題提起としてスタッフ等は受け取るべきである。

 日下公人氏の「日本出動」3回目(DHCシアター)をYouTubeでご覧いただきたい。
https://www.youtube.com/watch?v=ti5H47RuNyk
 ほんの1分、冒頭の2分38秒から3分35秒くらいでよいので、一瞥されると、日下氏にインタビューするスタッフの格好も話し方もひどくて、温厚な日下氏も不快そうにしているのが見て取れる。

 YouTubeにも「DHC THEATERにはよいスタッフがお集まりのようで結構なことです。」と皮肉たっぷりのコメントが載っている。

 年長で識者の日下氏に話を聞こうという態度ではない。インタビュー担当者は短パンにすね毛を剥き出し、あきれた無作法である。
 私が日下氏の立場だったら、即、席を立って帰ってしまう。そうしないとバカな担当者には気が付かない。
 ああ、これが広瀬すずからも顰蹙を買ったテレビの裏方をやっている者どもの認識かとわかる。

 冒頭に言ったように、武田邦彦氏は「音声ブログ」で、自分もよくテレビに出るから、スタッフの身なりが不快感を催させると言っている。奴らの格好は調和がとれていない。「ひどい部屋着」といった印象だ。
 社会人としてこざっぱりした清潔感ある格好で仕事をすべきである。私(武田)から見てもひどい格好だ。我慢の限界を超えている、と。

 氏も前回のブログでこれを取り上げたら、ドッと反論がきたそうだ。広瀬は番組スタッフを蔑視しているじゃないか。大人(スタッフ)をつかまえて、服装が汚ないというのは許せないとか、もともと裏方は3Kのきつい職場だから汚れたなりをしてもしょうがない、仕事をすればどんな格好をしてもいいじゃないか、とか。

 しかし、広瀬が提起した問題は、他人が自分をどう見るかである。広瀬すずは、裏方のみなさんは生活のための仕事としてやっているのか? その格好ではそうは見えませんよ、と発言したのだという。
 汚ない格好をしていれば、人が軽んじるのはしょうがないじゃないか、と武田氏は言う。それを広瀬は率直に述べたのだ、と。

 カメラマンや音声係、ロケバス運転手の服装のあり方には、職業に対するプライドを感じないと、思ったままに言ったのだ。決して侮辱ではない。素朴な疑問を呈しただけではないか。
 
 下積みの職業を侮蔑したのではなく、職業にふさわしい格好、社会人としてのマナー、それがなくてズンだれていて、いったい大人になったら立派な社会人になるぞとか、カメラマンや音声係をプライドを持ってやろうと志していたんですか? と問うたのだ。
 これは武田氏の言うとおりだと思う。
 心ある人間なら恥じ入るべきである。

 これは昨年本ブログの5月4日から3回に分けて「男は髪型なんか気にするな」として書いたことにつながる。
 あの場合は、クリニックの助手がツーブロックというおかしな髪型をしてきたことに苦言を呈した話であった。病院には病院の清潔感ある髪型や服装が欠かせないと述べたのだ。

 私はこう書いた。
 「問題は髪型にだけあるのではない、彼の認識である。
 規則がないからどんな髪型をしてもいい、患者が不快になったっていい、スタッフがものを言えなくて困ってもいい、俺はこの髪型にしたいんだ、言われた仕事はちゃんとやっている、と自分勝手な言い分を通す。
 これが一流の帝国ホテルやホテルオークラだったら、従業員にあんな客を不快にさせる髪型を許すはずがない。」

 テレビ局のスタッフのズンだれた格好がいけないのは、その認識のだらしなさにある。
 いかにテレビ局が堕落した悪の宮殿か、という話である。
 広瀬すずも、そういう堕落した世界に入れてもらったのだから、これからは我慢しなければなるまい。
 あんな発言をしたら、生意気な奴と言われて仕事が減るかもしれない。そういう陰険な世界である。

 テレビの世界が堕落しているから、みんなスタッフもそれに染まって、格好までだらしなくなるのだ。バカな大衆をゲラゲラ笑わせてやっていればいい、スポンサーのために視聴率のとれる番組に仕立ててやれば格好がどうのなんてどうでもいい、そういう世界だ。
 
 池田信夫氏は昔テレビ業界にいたそうだから、内情を知る身である。例のSMAP騒動について氏自身のブログで語っている。
http://ikedanobuo.livedoor.biz/archives/51969122.html

 「これほど芸能事務所の力は強くなかった。この背景には、芸能界だけでなくメディア業界の劣化がある。
 民放の芸能番組を企画しているのは、今や局ではなく芸能事務所である。視聴率を決めるのは企画ではなく出演者なので、ごく少数の『数字の取れる』タレントに出演依頼が集中する。このため、事務所の思い通りの番組でないと出てくれないのだ。」

 芸能事務所はほとんどがザイニチで占められる。だからひどい劣化が進んだ。当然、番組スタッフも堕落し、局の人間もやる気をなくす。それが服装にも出る。

 だから言っているでしょ。昨夏の安保法案反対のキャンペーンをこぞって張ったテレビ局は、ニュース番組やワイドショーでもみんなザイニチ芸能事務所が差配を振るっている。放送作家もコメンテータもたいていは芸能事務所に雇われている。だから支那や韓国に都合の悪い安保法案は、なんとしてでも潰したかったのだ。そんな色のついたニュースを見て、反対運動が盛り上がっていると舞い上がった奴は間抜けだ。




posted by 心に青雲 at 04:00| 東京 ☁| Comment(2) | エッセイ | 更新情報をチェックする