2016年02月19日

ローマ法王と東方正教会主教、どつきあう


 2月12日、カトリック教会の頂点に立つフランシスコ・ローマ法王(79)と、ロシア正教会最高位のキリル・モスクワ総主教(69)が、キューバの首都ハバナの空港で約2時間会談したと報じられた。
 なんでこんなどうでもいいことがニュースになるんだか。

 カトリックと東方正教会は1054年に分裂し、以来反目しあってきたが、このたびの両教会トップの会談は史上初だとか。両者は共同宣言に署名し、過激派組織自称「イスラム国」によるキリスト教徒迫害に危機感を表明するとともに、中東からのキリスト教徒「追放」と「新たな世界戦争」を阻止するよう国際社会に要請、と。

 ふん。カルトどうしが会って、何を偉そうに。国際社会に要請? なにそれ? 戦争終結になんか効果があるの? あるわけないじゃない。ただの信者に向けてのパフォーマンスである。
 まして千年間も互いに破門しあってケンカしてきたどうしが、初の会談で、「和解と協力に向けての歴史的な一歩を踏み出した」になるわけがない。

 各国の東方正教会の中で、ロシア正教会は1億人以上の信徒を擁する最大組織。

 そこで。座興に。
 私が法王と総主教の対談を盗聴したので、それをご披露しよう。

* *

 (フランシスコ法王がキリル主教に歩みよって抱擁しながら)
フランシスコ(以下フラ):よう来たのワレ。
キリル(以下キリ):(相手の足を踏みながら)おお、あいかわずけったいなお椀みたいな帽子をかぶっとるやんけ。似合わへんデ。鍋の蓋か。カッパか。ハゲ隠しか。
フラ:(突き放しながら)ケッ!おどれ、なんやその格好は、うっとうしい頭巾などかぶりよって…、アタマの中が蒸れるやろ。仰々しく古代の習俗そのままやないけ。東方正教会言うんは進歩はないんか。古色蒼然、なんかカビ臭いやんけ。

キリ:何言うてんねん、けったくそ悪。おどれこそ血の臭いがしよるデ。カトリック2000年の血塗られた過去が染み込んでおる。
フラ:何じゃこらぁ〜その顔見れんようにしたるぞコルァ〜。罵り合うために来たんやないんやぞ、ワレ。
キリ:カストロが招待してきたから、キューバ見物がてらや。なんぞ用かい?

フラ:ほんまは用はないんやが、世界平和をカトリックとロシア正教と、二大宗教の巨頭が会ったことにすれば、マスコミが記事にしてくれるやんけ。
キリ:べつにマスコミがどうでもええのんとちゃうか。パククネが言うとったやろ、「千年の恨みは消えへん」デ。
フラ:自称イスラム国によって、大事なキリスト教徒が殺されとんのや。信徒が減ったら、上納金が減るねんで。

キリ:そらまあ困るなあ。信徒がなんぼ死んでもかまへんのや。葬式で儲かるしなあ。だが、上納金のあがりがなあ…。
 異端のカトリックがどうなろうと知ったことやないんやが、仲ようしとることにしとかんと、うちらも信徒に冷たい言う評判がたつのも困るデ。
フラ:異端とはなんやコラ、おどれ。正教会のほうが異端やんけ。破門したんはこっちや。こっちが正統やと、千年間言い続けても、理解できないアホのくせしやがってからに。

キリ:ふん、よう言うワ。破門した?それはこっちのセリフや。イスラムに偶像崇拝を嘲られてビビったんはワレやないけ。おんどりゃ、この千年、カトリックが何千億人異教徒を殺戮してきたんや。なかには魔女裁判とか言うて、信徒の女を火炙りにしよるわ、分派したプロテスタントを殺しまくるわ、ワルを際限なくやらかしてきたんは、どこのどいつや。
フラ:何ぬかしてけつかる。スターリンがやった粛清や虐殺を容認して肥え太ったんは誰や、なんやら正教会とか抜かす悪魔宗教ではなかったんか。東方正教はいつも国家権力のイヌやんけ。

 キリ:何さらすんじゃい、スターリン治下ではやむを得なかったんや。その暗い時代でも、ロシア正教のおかげで大衆は安寧を得ていたんやデ、信仰のおかげやんけ。ドタマかちわったるぞ、われ。
フラ:ゲス野郎なに抜かす。プーチンと仲がいいんやて? あのKGBあがりのゴロツキ野郎が。ウクライナに侵攻しよってからに。正教会とプーチンがつるんでおるのやろ。
キリ:ウクライナがどうした。クリミアでもウクライナでもロシア正教の信徒を守るためや。なにが悪い。

 フラ:イコンなんか信徒に買わせて儲けやがって。あんなもん、偶像崇拝やないけ。
 キリ:イコンは神の像や。おぬしらイエス信仰よりマリア信仰に替えよってからに、女ならなんでもええのんか、この助平め。マリアなんぞいかさまや。

フラ:負け犬の遠吠えや。抜かしよって。ロシア正教の地域は今も貧乏や。ワシらヨーロッパのカトリック国はみんな裕福や。神がどっちを祝福されたかはっきりしとる。

キリ:カトリックに富があるんは、アフリカ、アジア、アメリカ大陸へと宣教師を派遣しては、アヘンや武器火薬を売りつけ、代わりに現地の人間を奴隷にして大儲けしてきたくせに、なにをいまさら、シリア内戦終結に向けてとか、しらじらしい。
フラ:うっ。そ、そんな昔のことは蒸し返すな。お互いスネに傷はあるもんや。今や今や。「国際社会が「暴力とテロの停止」と「対話を通じた平和」に取り組むよう呼びかけようやないか。

キリ:まあ声をかけてくれたカストロの顔も立てなあかんしな。共同宣言には妥協してもええデ。ただ、正教会のなかには、異端で人殺しで、阿片シンジケートで、奴隷貿易主催者だったカトリックへの不信が多くてなあ。
フラ:また嫌味か。いい加減にしいや。相身互いや。もともと神なんかあらへんのに、「ある」言うて大衆を騙くらかして儲けてきた仲やないか。そっちもこっちも、なんやかんや言うても、ユダヤのシモベどうしやないか。こうして千年ぶりに会うたのも、ユダ金さまの指示。わてらは大衆を騙していたらそれでええのや。

キリ:あのよォ。それは承知してるねん。けどな、ロシアと旧ソ連領内の国々で最近カトリック宣教を活発にしとるけど、それが営業妨害やで。ちょっかい出しよって、ほんま、どついたろか。
フラ:世の中は競争社会や。うちらもイスラムやプロテスタント、日本のソーカなんかがデバってきよって信徒が減って困っとるんや。まちがったキリスト教から、正しいカトリックに改宗してやっとる。感謝せい。

キリ:こきゃあがれ。二度と近づくなボケェ。
フラ:ほな、決裂や。けど、事務方にはあんじょう宜しく言っとくワ。「世界のキリスト教徒を守り、戦争を回避するために両教会が協力することで一致した」「私たちは兄弟だ」と言ったことにしたってん。
キリ:勝手にさらせ。もう知らんワ。




posted by 心に青雲 at 04:00| 東京 ☀| Comment(5) | エッセイ | 更新情報をチェックする