2016年02月26日

TPPを日本飛躍の好機に


 マスゴミはTPP交渉が妥結したと言っては、ソラ大変だ、日本の農業は潰されるとか、医療も崩壊するのではないかとか、騒いでいる。TPPはどうも中身がはっきりしないから、論じようもなかったというところだが…。

 そもそもTPPの原型は日本が提唱してきたことである。アメリカのごり押しで進められてきたわけではない。1978年にときの大平正芳首相が「環太平洋連帯構造」を表明したところから始まっている。
 その後、日豪協定や、87年設立のAPEC(アジア太平洋経済協力会議)などに発展して、今日のTPPに至っている。

 大平氏の提唱より遡れば、戦時中の「大東亜共栄圏」である。東条英機首相が主宰した大東亜会議が、それまでの欧米支配に呻吟してきたアジアを植民地から解放して、自立しかつ協力しあう体制を作ろうとした、歴史的、画期的取り組みだった。

 それをアメリカや支那がアイデアを奪ったようなものだ。日本が腰を据えてやろうとしなかったからで、原因は日本の農水省など官庁が既得権益を失いたくなかったからにほかならない。諸悪の根源は木っ端役人だ。

 TPPに限らず経済協定というものは日本が不利益になることもあろうし、利益を得ることもある。
 日本はアメリカの属国であるし、国民はそれを不満ながらも良しとしてきた以上、アメリカ主導の流れは避けようがなかった。日本は参加しませんとは言えない。そのなかで損をしないように交渉するほかなかった。

 そこにむろん、ユダヤの策謀だとか、アメリカの民主党・共和党の思惑だとか、日本の官庁の利権だとかが複雑に絡んでいるのは言うまでもなく、一般国民にはやり始めてやっとことの真相の一部がわかってくる、そういうものだろうか。

 ところで最近、『GDP4%の日本農業は自動車産業を超える』(窪田新之助著 講談社α新書)を読んでいて、刮目すべき言葉に出合った。
 「おわりに これから一層面白くなる日本農業」から紹介したい。

     *    *    *

 本書を脱稿する直前にTPP交渉がようやく妥結した。一部マスコミは、いまだに、日本がTPPに参加すると国内の農業が潰滅するかのような書き方をしている。私はそうした見方には与しないが、ここではその是非は問わない。

 肝心なのは、農業経営者たちは冷静にTPPの交渉の行方を見てきたということだ。そして彼らは、TPP議論を巡って騒ぐよりも、他にやるべきことがあるのを熟知している。農業界のリーダーである農業生産法人「サラダボウル」の田中進代表に日本のTPP参加についてインタビューした際、次のように言っていたのが印象的だった。

 「この質問には、あえて『一切興味がない』と答えるようにしています。理由はふたつ。ひとつは、20年も前からこの流れが分かっているなかで、いまさら大げさに騒ぎたくないということ。個人的には、経営者なら既に対策を講じておき、準備を進めておくべきだと考えています。
 
 ふたつ目は、TPPのような小さな問題に関わっている時間などない、とあえていいたい。マクロの大きな流れは変えられない。社会の仕組みの変化や社会的要請に従って役割の変化が促されていく。農業経営でいえば、マクロ要因を分析しながらミクロ要因にも取り組んでいきたいと考えています。目の前に山積している大きな課題である人材育成や生産工程管理、農業にICTをどう導入するのかなど、緊急度も重要度も高く、現状の農業経営をもっともっと改善できる、やるべきことがたくさんあると思っています。」

 あらゆる経営者に問われているのは、外部環境と内部環境を分析し、それにどう対応するかである。そしてそうした資質を持った田中さんのような農業経営者が増えていることだ。
 しかも、これから始まる大量離農や減反廃止などによって、彼らが仕事をしやすい外部環境はますます整っていくだろう。日本農業はこれから一層面白くなると感じている。

     *    *    *

 この田中進氏の「TPPなどに興味はない」、との言葉には目からウロコ、であった。たしかに…、20年前から農業の流れ、世界経済の流れは分かっていなければならず、今さら「さあ大変だ」と騒ぐのは愚の骨頂で、不勉強なマスゴミ記者ばかりである。
 TPPで右往左往するのは、もともとたいしてやる気のない零細農家、兼業農家なのだ。JAに頼っていさえすればいい、自民党のセンセイに任せておけば補助金が出ると、のうのうとしてきた人たちは、憲法9条さえあれば平和だ、と信じるおバカとそっくりだ。

 巨大な歴史の流れに押しつぶされていくのは、押しつぶされるほうが悪いのだ。
 日本の農家は高齢化し、一般的に70歳を超えるとリタイアしていく。2017年くらいから一斉に大量の離農が発生するそうだ。だから大変だ、危機だと、マスゴミは騒ぎ、役人も深刻そうにするが、それは結構なことだと、『GDP4%の日本農業は自動車産業を超える』の著者・窪田新之助氏は言う。

 危機どころが「戦後最大と言って良いほどの好機だ」と氏は述べる。旧態依然の非効率で収益のあがらない農業がついに終わりを告げ、新時代がやってくる、と。危機だというのは、農水省がそう喧伝するからだ。零細兼業農家がリタイアしていけば、大規模農業が進展して行く。

 われわれは情報源をマスゴミにだけ限定していると、ついやつらの口車に乗せられて、日本の農業に限らず、すべての社会問題が政治家が無能だからとか、役人が怠けているからとか、国民の理解が不足しているからだと、マイナス面だけがアタマに入る。
 他人のせいにして、お上のせいにして、自分は批評ばかりしている。何も行動しない、総床屋政談化である。

 田中進氏が言うとおり「個人的には、経営者なら既に対策を講じておき、準備を進めておくべきだ」は、金言と言うべきだ。風邪をひくくらいはまあ誰でもあるけれど、これは日ごろの不摂生であり、健康の準備を怠ったからなのである。ゴロツキ北朝鮮に国民を拉致されたのは、国家が対策を講じておかなかったからだ。津波に浚われたのは、準備がなっていなかったからだ。

 というように、何にでも当てはまる。
 なのにマスゴミは、災害があり、事故があると、「悲しみを風化させない」と言って、ロウソクの灯の写真を掲載して、はい終わり。
 田中氏の「TPPなんて興味ない」、の言葉に、どれほどの自信が満ちているか。

 私たちも、安倍総理からこういう田中氏が語った目の覚めるような言葉を聞きたいものだ。この発言を本で紹介してくれた窪田氏に感謝したい。この見解に反対の人もいるだろうし、TPP断固反対の意見があってもいい。相手にレッテルを貼って議論を封じるやりかたこそ悲しむべき風潮であり、日本の損失だ。

 もし安倍首相が、TPPのアイデアは東条英機首相の提唱した大東亜会議だったとか、TPPが発効されてもわれわれは努力次第で危機をチャンスに変えられるのだと言ったとしたら、野党からもマスゴミからも袋だたきになるのは目に見えている。軍国主義だの、責任放棄だの、弱者に寄り添ってないだのと。
 だから政治家も本音は言えない。当たり障りのない、揚げ足をとられまいとするやりとりばっかり。
 なんとくだらない国になっているのだろう。

 この政治の風土が、「イクメン不倫議員」や「歯舞が読めない大臣」もいいとは言わないが、マスゴミは政治や経済を論じ合わずに、失言やら冗談やらまで、記事にしたてて政治家を叩きまくる。
 日本にまともな軍隊がないし、9条なんか抱え込んでいるからダメ国家なのだ。





posted by 心に青雲 at 04:00| 東京 ☀| Comment(6) | エッセイ | 更新情報をチェックする