2016年06月04日

北海道で救出された大和君のこれから



 北海道七飯町の林道で行方不明となっていた小学2年の田野岡大和君が、7日目の3日朝に鹿部町の陸上自衛隊駒ケ岳演習場内で保護された。親に置きざりにされた地点から6〜7キロも独りで歩いて、水だけ飲んで生きながらえたそうだ。
 日本中が安堵しただろう。

 さて、毎日新聞の3日夕刊には、専門家の見解として、長野県山岳遭難防止対策協議会講師・丸山晴弘という人物のコメントが掲載されていた。
 「成人が水だけ飲んで何日もしのいだ例はあるが、子供ではあまり聴いたことがない」「水を得られたことと風をしのげたことが大きかったのではないか。人間は、風で体温を奪われると低体温症になってしまう。小さい子がよく耐えた」と述べている。

 医者もこんな感想だろう。たしかに割合元気で瀕死の重態ではなく発見されて、ひと安心ではあったが、たぶん医者が着目していない問題があると思われるので、それに少々言及しておきたい。
 それは神経の問題である。

 少年はそうとう怖い思いをしたはずである。親に見捨てられ、空腹で寒いなか、真っ暗闇の世界で6日間も過ごしたのだ。その恐怖や不安は想像を絶するものだったにちがいない。
 そうした超度級の恐怖を味わうと、神経はどうなるかである。
 よく山で遭難して救助された人が、何日間か寒さや空腹のなかでとてつもない恐怖を味わったあと、胃の穴があいたという話を聞くことがある。

 これは神経が強烈に働かされて胃に傷害が起きたのである。
 大人でもそうであるから、子供ではどれほどの神経の衰弱があったか。
 神経とは実体であり機能であるが、本来的には実体も機能も五感器官とともに鍛えておかなければいけないものだが、まだ7歳の子供となると、しっかりしているとは言えまい。

 神経の情報伝達は電気的に行なわれる。つまり通電力があるわけで、普段の生活なら少々の悲しいことや怖いことがあっても、保護者の親がいるし、すぐそうした感情はおさまるだろうし、オオゴトにはならない。
 しかし今回の事件のケースでは、先にも言ったように超度級の恐怖に襲われたはずで、それも死に直結するほどのものが連日続いたのだ。

 神経は五感器官を通して強烈な反映にさらされるばかりでなく、内界すなわち心の中でも恐怖や不安を自分で反映させ、増幅させただろう。
 反映は巨大だが、神経の実体が子供だから弱いのだ。
 神経の通電力はそれに耐えきれたかどうか。とりわけ怖い思いは強烈な電流となる。いわゆる電線も強烈な電流電圧にさらされると、耐えられないで破棄される。

 この神経の状態を果たして医師や親が見てとって、十分なケアができるかどうかである。
 少年はおそらく、毎晩怖い夢を見ていただろうと思われる。空腹で実体に栄養が行き渡っていないところへ、もともと子供だから神経の実体と機能が万全でない。それゆえ夢は怖い夢にならざるを得ない。

 戦場の兵士とか、死刑囚が処刑される前とか、ヤクザに絡まれたとか、そんなときに失禁する話はよく聞く。有名なところでは、マッカーサーが厚木の飛行場に降り立つときに、日本軍に襲撃される恐怖で失禁していたことが写真で明らかにされている。
 これは反映の強烈さで神経の働き(機能)が強烈に働きすぎて、神経はその他の実体が耐えられない状態になったということだ。

 つまり、体力は神経にもあるのであって、神経体力が限界を超えた場合に、恐怖で失禁することにもなる。
 少年がどうだったかは分からない、発表もされないだろうが、6日間、昼も夜も恐怖と不安にさらされたのだから、神経自体の体力が限界を超え、その他臓器などもガタガタにされたに違いない。

 医師は少年が、体温、血圧、食欲、血糖値などが正常に戻れば退院させるだろうし、そうするよりないけれど、少年の神経がどこまで正常に戻れるかは見てとれるかどうか。
 
 自閉症は、2歳くらいの子に限って発症するわけだが、あれも今回のような恐怖を幼児が味わうことによる。たいていは親が子供にとんでもない恐怖を味わわせたからだが、親は責任逃れをするし、子供にはむろん記憶もなく、何が原因で自閉症になったかわからないままなのである。恐怖が原因で外界の反映を拒絶し、内界の楽しかった思い出だけに浸ってしまい認識の自己完結というべき事態になっているのだ。

 今回の少年は、もう7歳だから、自閉症にはなりようがないけれど、いったんすり込まれた強烈な記憶が、夢のなかで反復され、ボロボロになった神経の体力が阻害されて、今後も少年を苦しめることになるだろう。まことに可哀想でならない。
 どれほど親や教師らが、手厚いケアで、五感器官と神経の実体と機能を正常に、かつ体力をつけるよう導いてあげなければならないか、である。

 父親は少年に「つらい思いをさせて、ごめんな」と言ったとか。それはそれとして、大事なのは今後である。こんなことは二度とごめんだと親も思うだろうから、ややもすれば甘やかしがちになりかねない。厳しい鍛錬などは手控えることにもなろう。例えばボーイスカウトでのキャンプなんかはやらせられなくなる。
 それではいけないが…。

 それに、少年は末っ子なうえに相当わがままに育っている様子で、親のいうことを聞かないから体罰で置き去りにされたほどだ。これは親の教育がかなりおかしいからである。なにがしか障碍がある子なのかもしれないが、これから親は子供のわがままにあまり強く出られない可能性が高い。
 今までより、親身に、どう教育するのが正しいのかを親が勉強して努力できるかどうかが鍵になる。

 それから、神経の実体を見事にする食事も考えなければならない。どんな食べものがいいかは、ここでは書かないが、ローマ帝国がゲルマン民族によって滅ぼされたのは何故かが一つのヒントとだけ言っておこう。ゲルマン人が主食にしていた食物こそが、彼らの神経の実体を見事にしたから、ローマを倒せたのだ。




posted by 心に青雲 at 04:00| 東京 ☀| Comment(2) | エッセイ | 更新情報をチェックする