2016年08月06日

野望を抱け!


 先月初めにわが流派で大会が開催された。必ず格調高い大会パンフレットを作成する。今回のパンフレットには、流派の新指導局メンバー7名が紹介されていた。
 いずれもそれぞれのメンバーの、空手の闘い方の特長が書かれ、その未来に絶大な期待を込めているのが読み取れるものだった。

 例えばということで挙げるが、実際の文章をいくらか改変しておくけれど、「豪快な突っ込みの上に、近年華麗さを加えてきた」とか「巌(いわお)を砕くがごとき激湍(げきたん)さながらの闘いぶり」とか「瞬殺の闘魂を具現し」など、彼らメンバーを評する言葉が踊る。

 これは会員向けに、指導局員への憧れ、尊敬を周知させるべく期待を込めて書かれているわけだが、たいていの人には「なにを大仰な…」と揶揄的に思われるのではないか。
 たしかに見ようによっては、これは大風呂敷に見えるだろう。等身大の自分がいい、自分らしく生きたい、こういう向きには唾棄すべきものと思われるだろう。

 しかし端的に言えば、大風呂敷を広げるくらいの野望がなければ、人生はみじめになるばかりである。
 わが流派が、世界に冠たる武道空手に到達したのは、この大仰なほどの野望を掲げて研鑽を積んできたからにほかならない。

 わが国は、一度戦争に負けたくらいのことで、なんでもかんでも「悪かった」「ひどいことをした」の反省と内向き志向になり下がってしまい、野望をもってはいけない、上昇志向は迷惑、という風潮にひたりきっている。本当にくだらない。
 小さな水盤の中で、こっちが正しい、いやあっちが正解だと言いあっている。
 こんな国民にしたのは、直接にはマスゴミや教育関係者がダメだからである。政治家も悪ければ官僚も悪い。

 芸人・又吉直樹が芥川賞をもらった小説について、本人が「バカが書いたバカな小説です」と述べたほどに、暗然たる低レベルなのだが、にも関わらず映画化され小説がバカ売れだそうで、世も末である。どこにも文学で世界を席巻してやると志すような情熱もない。
 そういう落ち目な日本に住んで、慣れてしまうと、野望だとか、世界に冠たるとか言われても、なんのことだか理解できなくなっても不思議ではない。

 先の参院選で、安倍首相が街頭演説すると、反日サヨクが「安倍帰れ」などと野次を飛ばしたそうで、これに対して安倍首相が「人の妨害ばかりして恥ずかしくないのですか」とたしなめたそうだ。
 そのとおり、自分でなにごとか為す気はなくて、人の揚げ足をとるのでは、ゲスの極みである。
 同じように、人様のブログに卑しく覗きにきては揶揄している輩は、こうした反日のゲスと同じで、自分では何も出来ないくせに、人の妨害ばかりしている暇人で、馬齢を重ねるだけ。

 そんな奴を相手にしないことが人間の誇りであるし、何事か世界に冠たる道を志すなら、まともに相手にしていることが恥でなければならないのだ。

 もし世界に冠たる政治家を目指して研鑽し続けている人間がいたとしたら、町内会のもめ事程度にかかずらわっていられるはずがない。例えば、アレキサンダーとか、ナポレオンとかが「床屋政談」みたいなことをやっただろうか?
 「燕雀安んぞ鴻鵠の志を知らんや」である。

 昔、映画で「誇り高き男」という西部劇があった。ストーリーはどうってことはないが、題名が良い。テーマ音楽でも聴いて、いくらかは相互浸透を図るべきである。
https://www.youtube.com/watch?v=5mtqRnfJl2w
 誇り高きを目指しているなら、下郎のイチャモンに応じて論争していられるわけがない。自らを顧みて恥ずかしいからだ。どうせ何を説いても「燕雀」にはわからないのだから。

 われわれは高みに向かって前進するのみなのである。
 冒頭のわれらが空手闘士は、空手家としても史上トップを目指しているだけでなく、空手を日本文化の最高に君臨させるべく、修行の日々を送っている。
 にも関わらず、みんな仕事を持ちながらである。それでどうして空手の達人レベルが望めるか。

 おそらくは1日30分程度の空手の練習しかしていないはずだ。あとの時間は日常生活だ。だが、その日常生活を「わが流派の空手」にしているのである。日常生活といえば、普通の人間はただ食って寝るだけにしているが、1日たった30分の練習で強くなれるのは、ひとえに精神によるのである。
 つまり1日何十時間を、空手ができる練習を行なっているはずなのだ。

 冒頭に紹介したように、他人からは大仰と思われようとも、常に、今がどんなに未熟であるのが現実であっても、大風呂敷を広げて、かつ周囲を睥睨していなければいけない。ある意味、虚勢を張っていると嘲笑されようとも。

 人間はどうしても低い方へ低いほうへと持っていきたがる。そのほうが楽だし、嫉妬の心を癒してくれるからだ。







posted by 心に青雲 at 04:00| 東京 🌁| Comment(0) | エッセイ | 更新情報をチェックする