2011年06月29日

環境を兵器にした歴史


 リンカーンという人は、奴隷解放のために南北戦争をしてまで戦った偉大な大統領ということになっている。
 なにしろ、昭和天皇が昭和20年8月14日深夜、玉音放送の吹き込みを終わって皇居の自室(御文庫)に戻ってから、すぐにやったことはそれまで飾ってあったナポレオン像を仕舞って、代わりにリンカーンの像を飾ったほどに…有名な人物であった。

 だが実像は首を傾げざるを得ない、とても偉大とは言えない大統領であった。
 そも、彼がやった奴隷解放は南部諸州に限られ、北部では解放されなかったのだ。つまりは戦う相手たる南部諸州の奴隷を解放すれば、ちゃんと賃金を払って労働させる仕儀とは相成り、南部経済力が減衰することを見込めたからであった。

 そればかりか、エイブラハム・リンカーンほどいわゆる先住民族=インディアンに対して冷酷無比な政策を実行した大統領はいない。ネイティブアメリカンに対しては、人間扱いしなかったのがリンカーンである。
 だから彼の有名な「人民の(合意によってできた政治)、人民による、人民のための政治」と演説で叫んだとされる言葉は「人民」とは「白人」だけを意味したのだろう。

 リンカーンは、自分と同じ名前のエイブラハムという祖父がインディアンに殺されたとされる。恨まれるようなことをやったからだろうと推察されよう。
 どれほどリンカーンが、対インディアン討伐に情熱を燃やして、若い頃は実際に戦闘に参加したり、大統領として虐殺命令を出したりしている経歴は、wikipediaにも載っている。

 有名なホームステッド法はリンカーンが制定した。狩猟や遊牧をネイティブアメリカンたちに禁じ、定住させて農業民にすることを強制したのである。反抗する部族は殲滅した。 
 「士農工商なんとやら」と言うけれど、リンカーンにとっては、白人、黒人、インディアンの順だったのではないか。
 ちなみにリンカーンが大統領だった時代(1861〜65年)は、日本では坂本龍馬や新撰組が活躍していたころだった。


 さて、リンカーンが若かりしころの1840年代は、彼自身もネイティブアメリカン部族の討伐に兵隊として参加しているけれども、アメリカ政府は北米大陸全体でネイティブ部族と戦争をしていた。ヨーロッパで食い詰めたならず者が、勝手にアメリカ大陸に移住して来て、先住民を追い出しにかかっていたのだ。

 当時のネイティブらはバッファロー(バイソン)を生活基盤とする独自の生活、経済を持っていたので、白人どもはバッファローさえ居なくなれば、ネイティブ部族は食料が尽き、暮しが立ち行かなくなると考えた。そこで政府は何千人というハンターを雇って、数千万頭のバッファローを殺させた。バッファローは絶滅寸前にまで激減し、ネイティブたちはついに白人に降伏せざるを得ないところに追い込まれた。
 
 やがてアメリカ政府はネイティブに、指定した荒れ地に強制移動させ、そこに定住すれば年金は支給してやると言って騙し、その年金さえ払わなかった。ために部族の暴動が起きると、徹底した弾圧をやってのけた。それがリンカーンなのである。

 時は流れて、それからおよそ100年後。
 アメリカはベトナムで戦争をやっていた。そして敵のベトコンや北ベトナム軍がジャングルに隠れて行動するからというので、大量の枯れ葉剤を飛行機から撒いてジャングルそのものを消滅させる作戦をとった。環境破壊の最たるものだった。

 この枯れ葉剤は有名になったが、ほかにも米軍は、ホーチミンルートを断つとの目的で、ジャングルの上空で雲のタネを撒いて、豪雨を降らせジャングル内に通る道路をぬかるませて輸送能力を奪う試みもなされている。

 環境そのものを兵器として利用することは、一応1976年に国連で禁止条約がまとめらた(環境改変兵器禁止条約)。しかしこれには強制力がなく、国連加盟国のうち批准した国は40%にも満たない。ザル法である。

 古くは、ローマ帝国がカルタゴを破って勝利を収めたあと、ローマは再びカルタゴが脅威にならぬよう、農地に塩を大量に撒いて耕作不能にしたのだった。カルタゴ人たちは生活基盤を奪われ、おかげで都市にも住めなくなった。

 現代では、HAARPという地震を起こす兵器があるとされ、今度の東日本大震災を起こしたのもHAARPの仕業ではないかという説はある。確定的なことは言えないのだが、頭から否定する人は、歴史上のいわゆる環境を兵器にした作戦を学んでいないのではないだろうか? 過去にはあったのである。それも白人がやった過去が。

 日本でも例外ではない。現在も山階鳥類研究所があるが、元はあれは軍事研究の一環であった。渡り鳥を利用して軍事利用できないか、あるいは敵が鳥を使って攻撃してくる可能性はないかなどを研究したのが発端であった。

 地震や津波を人工的に起こせないことはもはやない。ずいぶんと核実験では地層をずらす研究は行われたと聞く。まさかそんなことがと、私も思いたいが、頭から否定してしまうことは避けたいと思うだけのことである。



posted by 心に青雲 at 05:55| Comment(7) | 評論 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
いつもブログ更新を心待ちに、ご拝読させて頂いて居ります。

さてブログ主様も”おお!スザンナ”という耳慣れたアメリカの歌を、ご存知とは存じますが、その英語の二番の歌詞は、以下の如くショッキングなモノなので、ご紹介申し上げます。

jump'd aboard the telegraph and trabbled down de ribber,
De lectrick fluid magnified, and kill'd five hundred Nigga.
De bulgine bust and de hoss ran off, I really thought I'd die;
I shut my eyes to hold my bre
Susanna don't you cry.
chorus:(略)

然るホームページよりの日本語訳を
借用させて頂きますと…

〜〜 俺は電信機に乗って川を下り電流を上げて500人の黒人を殺した

エンジンが爆発して馬が走り出し 本当に死ぬかと思ったよ
息を止めて目を閉じた 

スザンナ、泣かないでおくれ
<コーラス>(略)〜〜

邪魔者の命を無造作に抹殺して憚らない国柄を暗示する歌詞に驚愕します。
Posted by ブタの尻尾も一役 at 2011年06月29日 11:16
”おお!スザンナ”の2番の歌詞は存じませんでした。

これは悪ふざけにしても最低ですね。
Posted by ブタの尻尾も一役様へ(ブログ筆者です) at 2011年06月29日 14:57
いつも楽しく拝読させて頂いております。
今回もまた、大変興味深い内容でした。
今後より一層の御活躍を期待しております。
誠に有難う御座いました。
Posted by 夜霧 雅弘 at 2011年06月30日 03:18
コメントありがとうございます。

ご期待に応えられるよう、頑張りたいものです。
Posted by 夜霧雅弘様へ(ブリグ筆者です) at 2011年07月01日 07:09
ブログ主様
お体に気をつけてください。

Posted by 佐藤 at 2011年07月02日 08:08
ありがとうございます。

こんどこそ気をつけねば。
Posted by 佐藤様へ(ブログ筆者です) at 2011年07月03日 07:33
鳥インフル流行で養鶏業者が大被害、
謎だらけの口蹄疫大流行により種牛が壊滅、
そして例の胡散臭い大地震により東北の漁業は壊滅、
放射能で畜産業もダメになり、
ますます日本の食糧自給率が下がりましたが
最近の局地的な大雨被害で米所も壊滅的被害のようです。
HAARPはハリケーンを巨大化させて
同じ箇所にとどまらせる力もあるらしいのですが
新潟の大雨被害も本当に地球温暖化に伴う
自然災害なのでしょうか?
不自然なほど世界中に分布しているHAARP基地と
第3世界で相次ぐ洪水被害は、噂に聞く全人類の
人口削減計画と何か関係があるのでしょうか?
Posted by >゜))))彡 at 2011年07月30日 18:04
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