2013年06月04日

乳房の大きくしすぎは考えもの

 たまには堅苦しい話を置いて、艶のある話題も提供してみようと言って、表題の文を旧・心に青雲に発表したのは2010年の10月30日付だった。
 今日は更新をさぼって、再録といきたい。

  *         *

 最近、山手線の電車に乗った際に、車内に若くて美人の女の子が珍しく和服で立っていた。たぶん踊りの発表会とか茶会とかに出かけるためではないかと思われた。

 その和服姿は美しいものであったが、わずかながら違和感を感じた。
 それは何かというと、胸のふくらみがたっぷりあるのだ。
 結構なことじゃないかと言われるかもしれないが、華やかな和服で乳房のボリュームを隠さず堂々と、というかゆったり着こなしているのは、いけないとは言わないがやや異質なものを感じた。

 女性は和服の着方が法律で決まっているわけでもあるまいが、一般的にはよそ行きの着付けのときは、乳房はセーターを着たときみたいに膨らませない。帯の位置を高くして、胸のボリュームを隠すのが一般的であろう。振り袖なんかを着たら結構胸が圧迫されて、走ったりなんぞは出来かねるのではないかと想像している。

 普段着で、家事をやったり赤子に乳を与える女性の場合の着物は、帯をウエストあたりで締め、その上に堂々乳房を乗せて労働しても息が苦しくないような着付けをしている、のではないか?

 どうして女性は(正装の場合)胸のふくらみをあえて隠し、帯で締め付けるような不自然な着付けをしているのか、その由来は江戸は元禄時代の幕閣であった柳沢吉保のアタマにあった。

 柳沢吉保は5代将軍、綱吉の側用人(のち大老格)であった。あの赤穂事件を裏で仕組んだ悪党である。
 彼が武家の妻や娘に着物を着るさいは、胸のふくらみを強調してはならぬと通達した結果である。
 余計なことをしたものだが、それなりに政治的意図はあった。

 柳沢は綱吉とのホモ関係を利用して、大出世を果たした男である。簡単に言えば、各地の藩主に女体に近づくことを禁じれば、跡継ぎができにくくなり、そうなった藩はお取り潰しになる。潰されれば代わって自分たち柳沢家が領主になれる可能性が高くなるからであった。これは真面目な話だ。

 「接しても漏らさず」が長生きの秘訣だ、などという俗説をみなさんも聞いたことがあるだろうが、その出所は柳沢吉保であった。

 この話は八切止夫の『大江戸意外史』にある。柳沢吉保は、『ねやにて慎みのこと』として、「一ツ、よがり声をあげてはならぬ。二ツ、もう少しなどと延引は不可。三ツ、恥じらいを旨として受け身のこと。四ツ、感ずるのは、はしたなき業(さが)なり」と“通達”を出した。
 こんなことにまで介入した。女性に、あのことは恥ずかしいことだという観念は、こうやって植え付けられた。

 この施政方針の一環として、乳房が盛り上がって見えることにないよう和服はきっちり胸をしめつけて、男の欲情を刺激しないようにせよ、となったのである。現在も、女性の和服は柳沢の通達にしたがって、胸を小さく見せる仕様となっている。  
 しかし、そのおかげで日本女性の色気が磨かれたのではないか。

 さて、そうした歴史的背景はともかく、冒頭の乳房を見せつけるような和服を着たお嬢さんに戻そう。
 まあ体格というか、乳房の大きさや形は千差万別らしいけれど、総じて日本人女性の乳房が大きくなったのは確からしい。男性なら、そりゃ結構なことと喜んでしまいたいが、ことはそう単純なものではない。
 ここからにわかに堅苦しい話になる。

 近年、女性の発育がよくなり、背丈も伸び、初潮も早まり、おっぱいも巨大化しつつあるのは、戦前のような栄養的に貧しかった時代から一転、うまいものがたらくふ食べられるようになったからだと、喜んでいる……場合か、しからざるか。
 女の子の初潮が早まるようになった理由、おっぱいも大きくなってきた理由の一端は、マスゴミが性的刺激を与えるような情報を流し、小学生のうちから性に目覚めさせるという認識面の理由があるが、それは今回は置いておく。

 問題は「成長ホルモン」なのだ。
 ここで言う「成長ホルモン」とは、食用家畜に残留した成長ホルモン剤のことである。牛乳にも成長ホルモンの残留の危険はある。
 食品に残留した成長ホルモン剤を人間が摂取することで、人間にも影響が及んで、たとえば女性の乳房が大きくなってしまうのである。

 「巨乳」という嫌な言葉が、いつのころからか流行して、そういうタレントがちやほやされるようになった。「巨乳」といえば、男どもが鼻の下を伸ばすから、女性も喜んで乳房の大きさを競うようになり、「寄せて上げるブラ」なんてものも開発された。
 たしかに見た目はいい。だが、それが恐ろしい家畜用の成長ホルモンのせいだとしたら、これまたユダヤ資本の思うつぼではなかろうか?

 すなわち、女性の乳房が大きければ大きいほどすばらしいとする考え方が、成長ホルモンの恐怖を隠してしまう。家畜用の成長ホルモンが、人間にも効果があるというなら、もっと肉や牛乳をたくさん食べて、Aカップの人はBに、Cカップの女性はDになれば、女性の悩みが解消できるじゃん! と言い出しそうである。

 ことの発端は、1970年代にプエルトリコで3歳の少女が、胸が膨らみ、陰毛がはえる、初潮も始まるという異常な事態になって、地元では大騒ぎになったことである。以後、アメリカでも事例は多く発表されている。アメリカでは、3歳の1%、8歳の14%に肉体的成熟の超早期の兆候が見られると言われる。

 おっぱいが大きくなるのは良いようだが、成長ホルモンの恐ろしいことは寿命を縮めてしまうことである。成長が早い分だけ、死ぬのも早まる。
 小規模の家畜飼育をしている農家などはともかく、現今の多くの畜産家は工業的畜産に占められている。鶏からブタ、牛、それに養殖魚。効率とコスト、およびなんとかウイルス病なんかにかからないように、早く出荷してしまいたいのである。

 とにかく飼育速度を上げることが、彼ら畜産会社や食肉加工メーカーなど、(世界的にはユダヤ商人の)至上命題である。
 仮に昔は普通のエサを食べ、牧草地に放し飼いをしていたら出荷まで3年かかっていたものが、わずか1年で出荷できるとなれば、効率よく利益をあげることができる。その極めつけの技が成長ホルモンの家畜への投与であった。

 今のところ、成長ホルモンが許可されたのはアメリカとイギリスである。
 これでわかるように、狂牛病が発症した大本がイギリスとアメリカであった。狂牛病の原因が成長ホルモンのせいではないかと疑われている。 
 乳牛などは、なんでこんなに乳房だけがアンバランスに巨大なんだ? と思うほど、まさに巨乳になった。牛乳を多量に出す良質の牛を交配させて行って、遺伝的に創ったとも言える部分はあろうが、主としてあれば成長ホルモンのなせる技らしい。

 「1930年当時の乳牛の1日あたりの平均乳量は約5キロであったというが、それが88年には交配や飼料の変化などにより18キロにまでなっていたが、さらに成長ホルモンの投与によって22キロにまでなった。しかも、成長ホルモン投与された牛は、絶え間なく妊娠、泌乳を繰り返すから、非常に効率がいい。

 だがその反面、老化が異常に早く進み、通常20年から25年の寿命が5年以下になる。このおそるべき副作用もわかっていたが、それでも、牛への成長ホルモンの投与は続けられた。」(船瀬俊介著『食民地 アメリカに餌づけされたニッポン』 ゴマブックス(株))

 以前宮崎県で牛の口蹄疫が騒がれ、当時の東国原知事が大変な被害を受けたなどと憤ってみせたが、彼も、そして宮崎県の畜産家たちも、決して成長ホルモン剤や病気予防のために、牛に危険な薬剤投与をしているかについては口を閉ざしていた。

 江戸時代(幕末)の女の写真を見ると、みんなそう乳房は大きくない。当時は肉食は禁じられていた。だからといって色香がないわけじゃない。頑強でよく働いた。
 ベルツの実験では、19世紀の江戸時代に、東京から日光まで人力車で1日で走り通す車夫に、肉類中心の食事を摂らせ、毎日40キロ走らせたら、3日目で疲労のあまり走れなくなったという。肉がスタミナ食だというのはウソなのだ。
 悪いことは言わない。肉食は止めよう。

 


posted by 心に青雲 at 07:23| 東京 ☀| Comment(6) | エッセイ | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
アメリカでマリリンモンロー盛んなりしころ、「バストの大きさは知能指数と反比例する」と言う説が出て、物議をかもしましたね。

バストでいうと、大きさだけではなく格好の良さも必要だから、ただ大きければいいってものではありませんが・・・小さい女性の悩みは深刻なんですって!

で、おっきい女性は、けっこう自慢しますね。

まあ、青雲さまが、どんなにおっしゃっても、男性陣に「おっぱいコンプレックス」がある限り、この問題は過熱するばかりでしょう。

しかし、柳沢と言う人は、ひどいやつですね。そんな策略家が日本にいたとは!

そういえば、話が変わってごめんなさい。「乃木大将の新妻が与えられた”心得”って、こっちの方向だったのでしょうか?

それとも、枕絵だったのでしょうか?
Posted by 神戸だいすき at 2013年06月04日 07:46
 乃木が妻・静子に与えたとされる“心得”とは、実際は乃木夫人が姪のてるに
「妻女の心得」として書き送ったものだそうです。
 
「閨の御謹の事」。
閨(ねや)ですから寝所、ベッドでのマナーです。

 

「用事終われば寝所を異にして給ふべし」
 

「興に乗してあられもない大口を開き、或いは自ら心を崩して息あらく鳴らして……たわいなき事をを云ひ、また自分より口を吸ひ
或いは取りはずしたる声などを出してはいけない」 というようなもの。

 おっしゃるように、ダメ、ダメといいながら、その実、こうするんだよと教えているような気もしますね(笑)
 
キスもダメ、ただ横たわっていろって…余計なお世話でしょ。

 乃木希典は、こういう偉そうなことをいいながら、ひどい芸者遊びで妻をさんざん泣かせたアホでした。
 この出典は諸説あるらしいですが、幕末近くに大名家の姫が嫁ぐ際に持たせたもののようです。

 もっとも「源氏物語」は、貴族(後には大名)が、娘の輿入れの際に持たせた「ベッドマナー」の絵入り教本でした。つまり“枕絵”付きだったのです。世界最古の古典というのも、ちょっと恥ずかしいような…。
Posted by 神戸だいすき様へ(ブログ筆者です) at 2013年06月04日 11:36
何事もバランスと思う。

スケベなのらくろの勝手な好みでいえば、C、Dカップ程度が理想的、E以上は大き過ぎと考えている。というのは、某通販カタログなどをみると、ブラジャーのホック(スタンダードな後ホックの場合)はA、Bカップが1列、C、Dが2列、E以上は3列となり、3列ホックとなるとブラジャーというよりはアッパーコルセットという感じで、補正下着感が強すぎ、脱がせている途中で目に触れればげんなりしてしまう。

あと、大き過ぎるのは、加齢とともに下垂させないよう、メンテナンス(要するにバストアップエクササイズ)が大変だろうと心配になる。もとが大きいと崩れ始めたら幻滅感もひとしおである。

また、個人的なことではあるが、自分にとって(性的な意味も含め)魅力的な女性はどちらかといえば大きいよりも小さいひとのほうが多かった気がする。高校生の頃にティーンの女の子向け性読本を読んだことがあるが、その1節に「彼が好きになるのはあなた自身であって、あなたのブラジャーのサイズを好きになるのではありません」とあったのを思いだす。あれから30年以上が過ぎたが、名文句のひとつとして今も記憶に焼きついている。
Posted by のらくろ at 2013年06月05日 00:10
それを言うなら、浮世絵こそ。

たぶん、フランスに渡った”それら”は、普通目にしないものではないでしょうか?

私の恩師は、パリの下宿で「日本人のモノは、すっごいでっかさらしい。見せてくれ」と、女将さんに付け回されたそうです。

いえいえ昔の日本人は、世の中のことが、よ〜くわかっていたのです。

すべてこの世は、男は女、女は男なんですよ。

おっぱいの話からはずれました、はずれてないか?
Posted by 神戸だいすき at 2013年06月05日 04:26
どうも私が書いたテーマとちがう方向に行っているようで(笑)
問題は、成長ホルモンだと言いたいわけです。
Posted by のらくろ様へ(ブログ筆者です) at 2013年06月05日 12:39
浮世絵は、庶民のもの。「源氏物語」は大名や貴族のものでした。
江戸時代の庶民は、自由にならなかったので、浮世絵でも見て発散するしかないという面もあったようです。
Posted by 神戸だいすき様へ(ブログ筆者です) at 2013年06月05日 12:42
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