2013年11月29日

西武セゾングループはなぜ崩壊したか


 昨日夕刊で、堤清二の死去が報じられた。86歳
 改まって書くまでもないが、この男は西武百貨店を中心に流通サービス企業集団「セゾングループ」を築き、一方で「辻井喬」のペンネームで詩人、小説でもあった。

 異母弟の義明(鉄道グループ)との確執が取り沙汰された。本人達は公式には仲が悪くはないと言いつつ、末端の社員はそれに振り回されたそうである。
 清二は西武グループの創始者で衆院議員だった康次郎氏の二男だった。なのに異母弟に西武グループ本体が継承され、清二としては面白くなかったのであろう、対抗するように西武百貨店や西友、ファミリーマート、ホテルなどの多店舗化を進めた。
 最盛期には総売り上げ4兆円を誇る巨大企業グループとなった。

 だが、おごる平氏は久しからず。過剰借り入れでクビが回らなくなった。バブル崩壊を機に西洋環境開発などが巨額の負債を抱えたほか、西武百貨店などの経営も低迷。平成3年に堤氏はグループ代表を辞任し、セゾングループは事実上、解体した。

 清二の死去を報じた新聞を見ると、毎日新聞は「類例にないマルチ文化人」などと歯の浮くようなおべんちゃらを書いている。さんざん飲み食いさせてもらい、広告でも儲けさせてもらったのだから、悪くは書くまい。
 しかし、私が聞いた彼の噂はひどいものばかりだった。

 まず彼が詩人で小説家だというけれど、晩年のことは知らないが若いころは、編集者が筆を入れないととてもじゃないが発表できる文章ではなかった。これは清二の文章を直してやった編集者からじかに聞いたのだから確かである。
 清二が東大出で、共産党崩れで、西武グループの御曹司だから、売れるかも…ということで出版社が引き立てたのであって、実力で文壇に認められたわけではないのだ。
 誰が好き好んで清二の詩や小説を読んだの? あほくさ。

 だが、清二はいわゆる文化活動(?)のパトロンを気取った。
 百貨店内に美術館を開設。劇場を東京・銀座に設けるなど、美術や音楽、演劇の先端的な作品を積極的に紹介した。
 「セゾン美術館などメセナ(企業の社会貢献)活動も先駆的に手掛けた。日本文芸家協会、日本ペンクラブの役員を歴任し、99年から毎日出版文化賞選考委員。フランス、中国など国際交流にも熱心で、日中文化交流協会会長を務めた。」と毎日新聞は紹介している。

 これだから、多くの作家、演劇家、画家、映像作家なんかが、援助ほしさに群がった。自薦、他薦…、恥ずべきことと言わねばなるまい。
 そういうエセ芸術家ばかりではなく、おこぼれに預かろうとするマスゴミ人間とか、旧貴族、旧士族、新興金持ち、なんかが「娘を入社させてくれ」とか「息子をよろしく」とか言ってくる。
 みんながゴマをする。清二にとってこんな気分のいいことはなかったろう。何でも思うがまま。

 そうやってすり寄ってくる人間が優秀で、西武グループの発展やカネ儲けの役にたつなら良いが、そうはいかないのが世の常であった。コネにすがってくる奴なんか、ろくでもないに決まっている。
 いくら優秀な人材を入社させても、コネのある人間がとっとと出世していき、地味な人間は冷や飯を食わされればどうなるか。縁故入社人間は大事な業務でボロを出すだけでなく、せっかくの優秀な者が腐っていく。

 だから清二の巨大化した企業グループは崩壊したのである。
 西武に勤めていた友人から私は内実を詳しく聞いていたから、絶頂期にあるときに、それならやがて潰れていくだろうと予測したが、そのとおりになった。

 それから、友人が苦々しく語っていたのは、清二の女癖の悪さ。
 大空真弓とのスキャンダルは有名になったが、あれはたまたま表に出てしまったもので、広報担当者が抑えられなかったというのでクビが飛んだ。
 広報担当者のところに、週刊誌の記者がやってきて、こんな写真があるんですが…と言って隠し撮りされたものを見せた。清二が大空真弓にしゃぶりついている写真だったそうだ。

 たった1回のことではない。広報担当者は年中火消しに飛び回っていたそうだ。「情報」を持ってくる記者なんかを、吉原にお連れして、酒席に連れて行き、なんとか「証拠」をもみ消してもらう。

 絶頂期にはテレビドラマを西武単独で「2時間ドラマ」などといって春と秋に提供していたはずだが、そこで主演をかました女優はみんな清二のお手つきになると噂があった。女優にしてみれば、2時間ドラマの主演をやらしてくれるなら、一夜の契りくらいなんでもないのだろう。

 昼日中から愛人のところにお忍びで出かけるときは、池袋サンシャインの社長室から女装して、マスゴミや社員の目を欺いて出かけた。
 私があるとき、西武にいた友人を訪ねてランチでも食うかと出かけようとしたとき、途中階からエレベータに乗って来た婦人がいた。
 1階に降りた後で、友人が「あれは堤だったんだよ」と教えてくれた。私は気がつかなかったが、女装していたことが社員にはバレていたのだ。

 友人は「西武はでかくはなったが、巨大個人商店さ」と自嘲していた。
 清二は会社で会議をしていて、気に入らないと部下に灰皿を投げつける暴君だった。は? それのどこが「類例なきマルチ文化人」なんだね? 

 それだけではない。清二が店舗の視察に来るとなると、売り場の主任は大慌てで美人の売り子は裏に隠すのである。気に入られると大変だからだ。
 そんな実態は社員なら誰でも知っていたというから、すさまじい。女性社員たちは「あのすけべ親父」と罵っていたのだ。

 清二の夫人は、大きな声では言えないが芸者だった人だ。芸者だからどうだと言う気はないけれど、芸者をもらったとなると世間体が悪いと思ったのだろう、フジサンケイグループの水野成夫の養女にし、水野家から嫁にきた体裁にした。かえってみっともないとは思わないのだろうか?

 その恩だかバーターだかで水野家の息子、水野誠一が西武百貨店に縁故入社し、清二が尾羽打ち枯らして辞任した後、社長になった。1970年入社で1990年に清二の尻拭いで社長になるのだからとんでもないスピード出世であった。彼はその後、参議院議員を1期務め、2001年に静岡県知事選挙に出たが落選した。

 トップがそんなことをやっていれば、社員が会社のために働こうとの意欲は殺がれる。
 一代で築きあげた巨大企業も、これじゃあなるほど潰れる、と思わないだろうか? マスゴミも実態を知っているだろうに、後学のために清二の失敗の原因を報道すべきであろうに。

 私は堤清二の行ないは、日本の経営者とかエセ芸術家どものありようの、一つの縮図ではないかと思うので言及したのである。






posted by 心に青雲 at 06:48| 東京 ☀| Comment(8) | エッセイ | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
堤清二の異母弟の堤義明も沢口靖子を愛人にしたり社内の女に手を付けたり女癖が悪かった。

でも堤義明の西武鉄道のほうはスキャンダルがなければ経営はよかったのではないでしょうか?

堤義明は会社に借金させて経費に落として税金を払わなかった。でもプリンスホテルなどに公共事業で新幹線や道路引かせていた。

父の堤康次郎が女癖が悪く異母兄弟が何人もいた。堤康次郎のプリンスホテルが敗戦後GHQの将校たちが皇族や華族の女たちを犯す場所を提供した。
Posted by 犬伏正好 at 2013年11月29日 07:53
それほど大きくなくても、同族企業と言うものは、同じ弊害に陥りやすいんだそうです。

友人が、大阪で次々転職したのはいいけど、どれもが同族経営で、能力のない2代目が、研究心もなく勝手な思いつきで、経営をするので、これではだめだ・・・と、いうのばっかりでした。
最終的にはつぶれるのですが、それなりに慣性の法則のように、ぐずぐず生き延びて、自分たちだけは財産を残したまま倒産し、従業員に迷惑をかけるありさまでした。

昔から「親・苦、子・樂、孫・乞食」と言われたものです。
あの西武にしてそうだったのですか・・・

何も知らないでマスコミの称賛を真に受けていました。

大阪では、こういうことを防いで「家業」を守るために、優秀な婿養子をとって商売をやらせたとか・・・

子ゆえの闇は、いけませんね。

管理人さんには、とおから見えていたんですね。
Posted by 神戸だいすき at 2013年11月30日 07:42
以前から西武とかセゾンには何か不快なものを感じていたのですが、こちらの投稿を拝見して合点がいきました。
Posted by 反骨の脂肪 at 2013年11月30日 11:45
実に、義明のほうも、岡田茉莉子、太地喜和子、水沢アキ、南野陽子、伊東美咲、佐藤江梨子、吉永小百合、南野陽子、八木沼純子、小谷実可子…が餌食にされたようで。
元フィギュアスケート五輪代表の渡部絵美が「週刊文春」で義明から誘惑された話を暴露したことがありましたね。彼女は立派に拒絶。
Posted by 犬伏正好様へ(ブログ筆者です) at 2013年11月30日 18:09
神戸だいすき様

コメントありがとうございます。
同族会社にかぎりません。
商売人ってのはねえ、ちょっと成金になると、愛人をもちたがり、行きつけの高級クラブに行きたがり、縁故採用したがり、ろくでもない人間になりさがるようです。
Posted by 神戸だいすき様へ(ブログ筆者です) at 2013年11月30日 18:12
反骨の脂肪様

コメント感謝いたします。
西武鉄道グループもセゾングループも、みっともなかったですね。
どちらもあの顔の卑しさ、反吐が出ますねえ。
それを褒めちぎるマスゴミの浅はかさ。
Posted by 反骨の脂肪様へ(ブログ筆者です) at 2013年11月30日 18:13
戦前の経営者は、ちゃんと商道徳を守り、きちんとしていなければ周囲から相手にしてもらえなかったのですが・・・戦後、在日系が仕切るようになって堕落したと思います。

もっとも、戦前も放蕩者はいましたよね。そういうところはつぶれます。
Posted by 神戸だいすき at 2013年12月01日 06:09
神戸だいすき様

ザイニチのせいで堕落した面は考えられますが、人間はどうしても落ちて行くものなんです。
それを落ちないように支えているものがあるのですが、日本は戦後、天皇が壮大な無責任男になったために、その支えがなくなり、堕落が釣瓶落としになって行きました。
Posted by 神戸だいすき様へ(ブログ筆者です) at 2013年12月01日 11:53
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