2016年02月17日

五十肩でお悩みの方に


 私の空手道場で取り入れている運動に、「手叩き」がある。これは世間では「茶摘み」とか「アルプス一万尺」「みかんの花咲く丘」などの歌に合わせて、2人が向かい合って手を打ち付け合う遊びに似ている。骨の鍛錬だから力強く打ち付けるが。

 他にもペットボトルに水をいくらか入れて振り回す練習などもあって、先日、そんなものをやって休憩時間になったら、1人の弟子が、「実は…」と申し出てきた。
 「ここしばらく前から五十肩で左腕が上がらなくて、服を着たり脱いだりするのが難儀だったのですが、先程からの練習で治っちゃいました」と言うのである。

 事前に聞いていなかったので、私も驚いた。彼も練習のはじめは激痛だったかと思うが、がんばって普段どおりに手を動かし、足を動かしているうちに、五十肩が治ったのだ。
 もし練習前に、五十肩で動きませんと聞いていたら、「なるべく動かしたほうがいいが、無理しないで」と言っていただろう。
 ところが知らなかったがために、普段通りの運動をさせたのが幸いした。

 音楽にあわせて、互いに手を出して叩き合う運動だったので、自分が怠けてはいられない。無理にでも相手の手に自分の手を出さなければならない。その相手に合わせなければ…の認識が、痛い腕を叱咤したのであろう。自分ひとりではなかなか痛みに耐えて腕を動かすのは大変だけれど。

 その構造については推測するしかないが、一つは手(腕)に衝撃を与えることで、神経が目覚めさせられたこと。二つは、骨にも筋肉にも衝撃が与えられたので、患部の骨と筋肉への指圧やマッサージになったことであろうか。三つは、足の運動も加わっているので、全身的に脳の統括が行なわれたこともあったのではないか。

 脳は本来的には全身の統括を行なっているものである。動物は全身的に動くが、人間は右手だけ動かすということをやってしまう。それが肩こりや腰痛の原因の一つであろう。
 デスクワークは座ったまま、手を運動させるので、非常に歪んだ運動である。全体を使わないから歪みがくる。

 五十肩の場合は、痛みのために左手なら左手を使わないでいる、歪んだ状態なのである。全身的運動での統括ができていない。使わないという歪んだ運動をしていることになる。

 それで、全身的運動を行なったために、脳が本来の全身的運動の統括を正常に行なって、五十肩の痛い部分をも構わずに(いたわることなく)、動かす統括をしたのではないか。血液の流れも、全身的になったのが良かったと思う。
 神経痛の人が温泉に入ると症状が軽減するのは、全身を温めて血流を全体的に行なうようになって、神経痛の部分をも正常なものとしてくれるからではないか。

 五十肩を治すならば、腕だけ動かすとか衝撃を与えるとかではなく、全身運動をするなかで健康体にしなければならないのだと思われる。
 
 癌になった場合も、それが例えば乳癌だとすると、医者はその患部の乳房だけを問題にするようだが、本来は全身の病態をみなければならないはずだ。とくに全身の栄養を司るというか、血液を正常にしている肝臓が悪くなって、部分の乳房なら乳房の栄養状態が異常となって癌化するのだから、根本の全身的栄養を改善し、肝臓の状態を正常にしてやることが、癌の治療の根本にならなければおかしいではないか。

 話を五十肩の神経の問題に戻す。
 五十肩は、よくアイロンを持って振ると効果があるとか、何もしなくてもそのうち治るよ、とか言われるが、要するに動かせばあっという間に治るのであって、痛いからと怠ければ治りが遅くなるのだ。

 五十肩は神経が勝手に痛みを訴えているのだから、「テメエ、怠けるんじゃねえ!」と叱りつけて、認識で無理にでも腕を動かしてやって、神経自身の勘違いを正してやればいいのである。
 
 五十肩は、ネットで調べるともっともらしい解説はあるが、原因不明となっている。どういう病気かというと、関節の周辺に炎症が起きるのだと。整形外科にてレントゲン、CT、触診の結果、骨などに異常はない。当たり前だ。それは神経の病だからレントゲンなんかには映らない。

 医者は神経に関しては研究が少ないからわかっていない。そのくせ病院は、レントゲンやCTなどを撮って無駄な治療費を患者に負わせ、金儲けを企む。
 五十肩なら痛みに耐えて、腕を動かせば治りますと言えば、病院は儲からない。だから痛み止めの薬でなんとか…とウソをつく。

 話は変わるが、YouTubeの「虎ノ門ニュース8時入り」(2月4日)で青山繁晴氏がスキー事故で腰の骨を骨折した話をしていた。
https://www.youtube.com/watch?v=90LgOjqMP9g
 (1:15:27〜1:24:21までご覧あれ)
 当然緊急入院したが、医師からはもう年齢的に言ってももうダメで、自分ではトイレにも行けなくなり障害者認定も受けなければならないと宣告されたそうだ。

 しかし、青山氏は仕事を抱えていたので、キャンセルするわけにもいかず、無断で病院を脱走してしまった。入院してたら原稿も書けない、このままだと「ケガ人の頭になっちゃうから」と。
 腰には場所が場所だけにギプスを嵌められず、コルセットをしたまま。それで東京に戻り、翌日には飛行機で九州に講演に出かけたそうだ。
 ムチャクチャ痛かったから飛行機のなかでも、顔から痛みで脂汗がボタボタと落ちたそうだ。

 それから東京で病院には通ったが、やがて腰の骨はくっついて、後遺症ゼロ。これで腰が強くなり、腰痛もないという。
 番組では、青山さんは特異体質だから真似しちゃダメでしょう、とか、これを一般論にしてはいけないけど、とスタッフが言っていたが、いやいやどうして、この事実から一般論を導くべきである。

 身体の異常を修復してくれるのは神経なのである。西洋医療では神経の働きにあまり注目せず、薬で治そうとばかりするけれど、本当は神経に治させるのが良いのであり、それが冒頭の五十肩のこともそうだし、青山氏のムチャぶりにも当てはまるのである。

 それに青山氏がチラッと言っていたが、「このままではケガ人の頭になってしまうから」は、素晴らしい考え方である。より正しくはケガ人の認識、病人の認識になり、それがやがて量質転化して、認識レベルにとどまらず、脳(実体)までもがケガ人の、病人の脳の実体になり果てるのである。

 「アルプスの少女ハイジ」に登場するクララの病気はまさに、あの少女が病人のアタマになっていたから歩けなかったのである。

 五十肩も青山氏の骨折も、認識が神経を叱咤して懸命に働かせたから、見事に神経が治してくれたのである。
 われわれの空手流派では、下痢したらたくさん食えと言われる。普通は胃腸を休ませるために、しばし食べるのを控えろと言われるが、そうではない。胃腸を怠けさせるなと叱られる。
 食べれば否応なく神経は(おおもとの脳細胞も)消化のために働かされる。胃も腸も、怠けてはいられない。

 もう一つわが空手流派の話だが、昔、ある海岸で合宿をしていた。
 指導者たちが、海岸で多数の会員を指導するのだが、野外だし波の音なんかもあって大きな声を出さなければ聞こえない。それで一日中怒鳴りまくる。
 翌日も早朝から、練習が行なわれる。このときにはさすがに指導者のほうも声が枯れている。となると、おおぜいの会員に声を出して指導しきれないだろう…と思うだろうが、そうはならなかった。

 指導者たちは、はじめは枯れて大きな声がだせないようだったが、しばらくするとしわがれていた声が直り、同じように大きな声で怒鳴るようになった。
 「これが量質転化の実践だ」と言われた。声がでなくなったからと、喉をいたわるのではない。
 まさに声帯にかかわる神経を、怠けさせなかったから、神経がちゃんと仕事をして嗄れた喉を修復してしまったのである。

 たまに運動をすると筋肉痛になることがあるだろうが、これも翌日に痛いからといって休むのではなく、はじめは痛くても運動すれば、あっという間に筋肉痛は収まるものである。湿布薬なんか貼るまでもない。




posted by 心に青雲 at 04:00| 東京 ☀| Comment(2) | エッセイ | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こんにちは。始めてこちらのブログを拝見したものです。とても楽しく拝見しております。
もう以前に書かれたものと思いますが、目から鱗でした。

鍛えると申しましょうか、体も心も甘やかさない事で好転する、とても為になりました。
よく亡くなった母がいつも元気で動き回っていた事で、病気にもかからず、亡くなる少し前まで元気でいたのは動き続けることがなせる技だったかなと思いました。
自力でいたい所も直していたかもしれませんね。

これからも拝見して勉強させていただきます。
ありがとうございます!
Posted by mie mama at 2016年03月04日 15:24
mie mama 様

コメントありがとうございます。
気力、気魄、大事ですよね。
Posted by mie mama 様へ(ブログ筆者です) at 2016年03月04日 15:46
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