2016年05月03日

ギャンブルの裏表


 4月22日の「虎ノ門ニュース」で、経済評論家の須田慎一郎氏が、ギャンブルの解説をしていて、面白かった。
 せんだってのバドミントン五輪選手の闇カジノ発覚問題の裏側である。
 
 そもそも日本のヤクザには2つの流れがあって、一つが賭博を生業とするもの、もう一つが香具師(フーテンの寅の世界)である。山口組の中にもこの2種があるそうだ。このふたつの世界は相容れないテリトリー意識があるとか。現在はこれら博徒とテキ屋のバックには暴力団がいる。

 現在は暴力団の賭場は、インターネットで海外のカジノと提携して行われるケースが多くなった。海外でバカラならバカラをやっているのを、リアルタイムで日本でも表示される。配るカードに発信器が付いた特殊なもので、不正が起きないようになっているんだとか。
 それを日本の賭場で見ながら賭けるのだ。

 そのインターネット賭博の売上げが、月に100億円、それも都内だけで、という。裾野は広いと須田は言っていた。
 インターネットだから、警察が踏み込んでも、すぐ回線を切ってしまえば証拠はない、サーバーは海外にある。賭博は現行犯でないと逮捕できない。
 こういう巧妙な仕掛けができている。
 
 魚心あれば水心で、バクチをやりたい人間が多数いるから、世の中ではあの手この手で法をすり抜けて大繁盛なのである。
 暴力団主催バクチのユーザーは、町の旦那衆である。ちょっとカネを持っていて遊ぶカネが自由になる連中で、三度の飯よりギャンブルが好き、町のいたるところに雀荘があることからも察しがつく。

 暴力団にしても、これらがユーザーなので、決して客から巻き上げることが目的ではない。ヤクザは堅気の人が遊ぶ金をカスリとしていただく。堅気の皆さんに楽しんでもらって我々渡世人は生きているという意識がある。旦那衆にリピーターになってもらってなんぼの世界。人を誘い込んでバクチにはめてやろうとするのは、意味がない。

 富裕層の、弁護士、会計士、医者、スポーツ選手、芸能人などに客になってもらって、日ごろの憂さを晴らしてもらって、気持ちよく帰ってもらいましょう、それがもともとの江戸時代から続く賭場の流れである。
 清水次郎長も国定忠次も、そういう博徒であり、素人衆を相手に銭を集め、任侠の道とイキガっていたのだ。

 したがって、自分だけ勝てばいいとするような賭場荒らしは排除される。賭場は勝ちゃいいではない。みんなが楽しんでいる空気を壊さないことがルールである。マスゴミが記者クラブに寄り集まって、抜け駆けがないよう、一人勝ちがないよう回しているのと似ている。

 さて、日本には公営ギャンブルがある。お上が胴元になっているギャンブルだが、これ以外はみんな違法ギャンブルになる。
 公営ギャンブルは、競馬は農水省、競輪は経済産業省、オートレースとボートレースは国土交通省の所管官庁である。パチンコはギャンブルとは別枠で遊技であるが警察庁の管轄である。摘発すべき警察がギャンブルを所管するのが具合が悪いという意識があるのか?

 宝クジは自治省や各自治体。Toto(スポーツ振興くじ サッカーの試合に賭ける)は文部科学省の所管である。教育を管轄する文科省までがギャンブルの胴元になるのかと批判があったが、五輪でメダルを取るためカネを集めなければとかうまいことを言って実現させた。
 全部役所のひも付き。そこで所管官庁は、公益社団法人なんかをいくつも作っては天下るのだ。

 競馬競輪などからテラ銭を巻き上げ、自分たち役人とそのOBにカネを吸い上げる構造をつくるわけだ。
 そうするとこれがヤクザの商売敵になる。馬鹿な博打キチガイは公営ギャンブルに来てもらわなくては困る。だから官の側はヤクザを「違法賭博」として徹底して潰そうとする。やっていることは同じなのに。

 先のバドミントン選手の摘発は、一罰百戒である。官がヤクザと民間人を恫喝しているのだと須田慎一郎は言っていた。違法なバクチはダメですよ、摘発されたら一生棒にふりますよ、だからパチンコに来てね、競馬なら健全でいいよと誘っている。
 「闇カジノはやばいから、じゃあ場外馬券を買いにいくか」となる。

 巨人の選手が野球賭博で首になった事件でも、要するに公営ギャンブル以外は許さんぞ、という恫喝なのだ。
 これ以外にも、外国の駐日大使館の中でも賭博は行われている。どこかもビルの一角を借りて大使館にしているような、まあ小さな国が怪しい。
 これはヤクザと抗争になるという。外交特権があって官は立ち入れない。
 
 須田慎一郎によると、公営ギャンブルはテラ銭の3割を利益として持っていくそうだが、ヤクザはそれほどまでは取れていないそうだ。つまり、笑い話であるが、ヤクザ主催のバクチのほうが「お得」になる。
 須田の話は勉強になった。なるほど裏社会とはそういうものかと。
 この話を聞くと、ヤクザより悪質なのは役人だと思えて来る。

 違法賭博はダメで、公営賭博なら良いとはスジが通らない話である。




posted by 心に青雲 at 04:00| 東京 ☁| Comment(2) | エッセイ | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
少なくとも公営であればテラ銭が社会の為に使用されるから良いんだという話を聞きますね。宝くじ号と書いた役所の車を見ることがあるかと思います。
私は博打はTPPのさいに国外から独占だと訴えられて終わると思ってます。
Posted by たていと at 2016年05月03日 18:25
たていと様
コメントありがとうございます。
公営ギャンブルをそういう屁理屈で擁護するなら、ヤクザにだって一理はありますぞ。
世の中の落ちこぼれを、裏社会に吸収してやって、堅気の世界に出てきて悪さをしないように歯止めになっていると言えましょう。

社会にはどうしても落ちこぼれは出ます。それをマフィアみたいに巨大犯罪組織にするのがいいか、博打やテキ屋をやらせて、なんとか食って行ける日陰の身にしてやるほうがいいのか。

私は博打を良いとは言いませんけど、それなりに探せば存在理由はあるんです。
Posted by たていと様へ(ブログ筆者です) at 2016年05月03日 18:55
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