2016年05月27日

人工国家イスラエルの欺瞞(1/2)


《1》
 『約束の旅路』(2005年フランス映画)は痛切な映画だった。エチオピアからの難民の少年が、イスラエルで生き抜いて行く話である。
 日本からはあまりに遠く、かの地の事情を知らないために「なぜこんなことに?」と思いながら観る人も多かろう。

 1980年代、エチオピアは大飢饉に襲われ、下層の人たちが大量に死に、絶滅の危機に瀕した。エチオピアには肌の色は黒いが多くのユダヤ教徒が主に北部のゴンダール山中に下層民として虐げられながら暮らしていた。イスラエル政府とアメリカ政府は彼らの“救出作戦”を実施した。1984年「モーセ作戦」と、1991年の「ソロモン作戦」の二回あった。モサドが仕切ってイスラエルの航空会社と空軍の協力により彼らの多くは救出され、現在イスラエルには約6万人が移住している。

 この映画はそのイスラエルが行った実在の難民移送作戦“モーセ作戦”(1984年11月から3カ月間)を題材にしたフィクションだ。エチオピアのユダヤ教徒は、エチオピア政府が移住を禁じていたから、エチオピアからひそかに脱出して自力でスーダンの難民キャンプまでいかなければならなかった。それも徒歩で。イスラエルは極秘でスーダンから空輸で難民を移送する作戦だった。

 エチオピア国民をイスラエルが合意もなく連れ去ろうというのだから、エチオピア政府も国民も怒ったのは当然である。どだい大量の難民が移動するのに極秘を貫けるわけがない。多くの難民が旅路の途中で襲われ、妨害され、命を落としたのだった。映画では、8000人のエチオピア系ユダヤ人がイスラエルへ移送されたが4000人がその途中で飢えや野盗の襲撃により命を落としたと述べていた。
 行くも地獄、留まるも地獄だ。

 そのエチオピア難民の中には、ユダヤ人と偽り、スーダンの難民キャンプからイスラエルへと脱出しようとした者もいた。そのなかの一人がこの映画の主人公9歳のエチオピア人少年シュロモだった。 真実の素性と名前を隠し、新しい土地で周りからの差別に苦しみつつ生きる少年の葛藤と苦難の人生を描いている。

 映画では、エチオピアで暮らすユダヤ人を「ファラーシャ」と言っていたが、これは差別的「外国人」という意味であった。
 イスラエルのユダヤ人たちの中には肌の黒い彼らをユダヤ人だと認めない人たちが多かったそうだ。豊かな暮らしを手に入れるためユダヤ人であると嘘をついて逃れてきたのではないかといつも猜疑の目で見られていた。
 この問題も一つの重要なテーマになっている。

 実際に起こった事件では1996年1月末、エチオピア系ユダヤ人はエイズ感染の危険性が高いとして、「イスラエル血液銀行」が彼らの献血した血液を秘密裏に全面破棄していたことが発覚した。さらにイスラエル保健相が、「彼らのエイズ感染率は平均の50倍」と破棄措置を正当化した。
 これに対して、エチオピア系ユダヤ人たちは、「我々のみ全面破棄とは人種差別だ!」と猛反発。 怒り狂った数千人が首相府にデモをかけ、警官隊と激しく衝突したことがあった。

 ユダヤ人は東欧系のアシュケナージ、スペイン系のスファラディ、北アフリカ・中東のユダヤ社会出身のオリエント東方系に大別される。イスラエルでは数ではスファラディ、オリエント東方系が多いが、少数派のアシュケナジームが権力を握っている。
 よく言われることだが、本物のユダヤ人はスファラディであって、アシュケナージは偽ユダヤだと。

 アシュケナージはもとはカスピ海あたりの原住民だったが、国を滅ぼされ流浪の民となり、ユダヤ教に民族ごと改宗した。そして、世界各国に入り込んで主に金融を支配して隠然たる勢力になった。
 彼らは自分たちがイスラエルを追われたユダヤの民(シオニスト)と偽称し、アラブ人の土地を奪ってイスラエル建国を正当化しようとした。
 ナチによるユダヤ迫害も彼らシオニストの策謀だとも言われる。
 まったく…今の朝鮮人が不法に日本に密入国してきながら、強制連行された被害者だと偽称するのと、やり口はそっくりだ。

 エチオピアのユダヤ人とは、聖書ではソロモン王とシバの女王の関係が記されていて、シバの女王から生まれた子孫とされるのが「エチオピア系ユダヤ人」である。彼らは自らを「ベド・イスラエル(イスラエルの家)」と呼び、『旧約聖書』を信奉するが、『タルムード』はない。1973年にスファラディ系のチーフ・ラビが彼らを「ユダヤ人」と認定した。この一言が壮絶な悲劇を招来した。

 これを唯一の根拠として、エチオピア系ユダヤ人は、祖先の地イスラエルに“帰還”するのを正当としている。われわれから見ると、白人系と黒人系が同胞とするのには違和感があるし、とうてい根っこの感情では相容れないのではないかと思われるけれど…。
 実際、エチオピア系ユダヤ人はイスラエルでは下層階級にされている。

 イスラエル政府による「モーセ作戦」「ソロモン作戦」はユダヤ人の同胞たちを飢餓や貧困から救うために強行したとメディアでは解説され、正当な行為だったと流布されている。それを鵜呑みにしているのは、脳がオボコの連中だけ。
 しかし、世界中のメディアはユダヤ資本の傘下にあるから、真実は報道されない。『約束の旅路』のような映画や、書物で真相が少し洩れて来るのみである。

 従って、シリアスな映画も観なければ、本も読まないB層の民はな〜んにも知らないでお花畑にいる。こういう連中は、人権を叫び、9条を守れなどと馬鹿を言う。
 イスラエルのできあがってしまった社会の理非曲直はもう正しようがない。




posted by 心に青雲 at 04:00| 東京 ☀| Comment(0) | エッセイ | 更新情報をチェックする
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