2016年06月22日

今日はブログ記念日(1/3)


《1》
 6月22日はわたしにとって“記念日”です。2006年6月22日に、ブログをはじめました。
 それから今日が区切りの10年になります。
 回数(日数)にして、約2870。
 自分でもよく捲まず弛まずブログを書き続けてこられたと思います。継続は力なりを信じて、きっと何かの量質転化が起きてくると信じて。
 もちろん、しっかり目的的にこれを量質転化させようと企図してのことでした。

 いつもは私事は書かない方針ですが、10周年記念ということで、私の文章を書くにあたっての思いから始めます。
 私は高校生のころから日記を書き始めました。その目的は文章がうまくなりたいからでした。「今日は何をした」と書くこともありましたが、たいていは随筆気取り、評論気取りで書いていました。もっとしっかりした目的意識性を持てば良かったのにとは今にして思いますが、当時は誰も指導してくれる人もなく、むろんPCもネットもない時代、どこに発表するわけでもなく黙々と書いていたものです。

 ざっと10年くらいは続けたのですが、就職し結婚もした為に、日記は遠ざかりました。たまに書く程度。年に3回ほど、なんてこともありました。ほそぼそと続いていたとも言えないようなザマでした。
 しかし、高校時代から日記をつけていたので、多少はボキャブラリーも増え、言々句々の扱い方も心得てきて、書くことが苦痛でなかったので、編集者という為事に就いて助かりました。自分も書くし、人の書いた文章をチェックできなければならないからです。

 誰の文章だったか忘れましたが、文章がうまくなりたければ、書くことを続けなさい、とあったのを守って実践してきたのです。本ブログも、とにもかくにも毎日書き続ける、それしか私みたいに才のない人間はやりようがなかったのです。毎日やっていれば、なんとか人に読んでもらえる文章になるんじゃないかと思うしかありませんでした。

 最近になって、谷沢永一氏の本の中に、同じことが書いてあるのをみつけて嬉しくなりました。こう書いてあったのです。

     *    *
 文章力を鍛えるには簡単な方法があります。ただひとつ、若いときから捲まず弛まず中断せず、連続して営々と書き続けることです。問われるのは、継続する根性だけです。
 「今はまだ若いから」などと口実をかまえて足踏みしてはなりません。年齢(とし)をとって経験を踏んで円熟してからおもむろに書こう、などというのは卑怯な逃げ口上です。
  (中略)
 ある学者が六十三歳の定年になって初めて著書を出しました。資料はいっぱい持っている人でしたが、その人の本はなんとしても読みにくい代物でした。
 
 私が師匠と仰ぐ中村幸彦先生にそのことをひと言漏らしたら、「若いときから書かないようではいけませんよ」とおっしゃった。
 まったくその通りで、書くだけの内容をもっていても、書く力に乏しければ、読みにくいものとなってしまいます。
 なぜか。文章は技術だからです。したがって絶えず腕を磨かなければなりません。
 (『最強の国語力を身につける勉強法』PHP)

     *    *

 私が空手流派の指導局に入ったときには、それこそ毎週、反省文やレポートを提出しなければなりませんでした。提出しなければ当然クビです。文章を書くのは好きだったので、苦痛ではありませんでしたが、書いても書いても合格はもらえず、叱られてばかりで、大変な緊張を強いられました。もちろん今ではご指導に感佩(かんぱい)しています。

 以前ほんの少し、天寿堂・稲村さんの主宰する弁証法のゼミにチューターとして関わったことがあったのですが、ゼミ生たちは、忙しいの書けないのと言って、反省も感想もなかなか書いて来ない。私はそれに指導者として大変怒ったのですが、稲村さんはあまり気にしていませんでした。
 「書くことは考えることである」と言われているのに、書けないから書かないのでは、弁証法がわかるようになるはずがありません。
 その後はどうかわかりません。

 文章を書くとは、頭の中の像(認識)を外化するためにその像にふさわしい語彙を探し、相手に読みやすいように組み立てる工夫をすることでしょう。言葉を単に記憶から探してきてまとめるのではないはずです。

 その場合にボキャブラリーが貧困であれば、いくら考えても月並みな表現しかできません。だからよく本を読んで人の使っている語彙を真似したり、表現法を真似たりしてきました。
 語彙も表現も豊かにしていくには、偏った専門分野の本だけ、気に入った人の本だけを読むのではなく、もっと広い違った領域の書物を読み漁ってきました。

 その貪欲さと浮気性(?)のお陰で、まったく関心のなかった武道の本にも手を伸ばしたので、南ク継正先生の著作と出合う僥倖(ぎょうこう)に恵まれました。
 若い頃、恋人が私の部屋に来て、本棚を眺めて「あなたは実に多方面の読書をしているのね」と驚いていたことを覚えています。
 
 本を読むのは二重構造で、知識を増やすものと、自分のアタマとココロを創るものがあります。くり返し精読するのは後者です。
 加えて、上手な文章を書きたくて、たくさんの本を読んだとも言えます。

 また、これもどこで読んだか忘れましたが、文章は誰にでも書けるが、立派な人間にならなければ、良い文章、人も心肝を叩くような文章は書けない、とあったのです。文章はレトリックではなく、文体に自然とにじみ出てくるものがあるというわけでした。
 ですから、しつこく書きますが、人様のブログに誹謗中傷、揶揄、イチャモンをつけてくる圭角ある輩(立派でない輩)のコメントは、よしんばそれが穏当至極であっても読まないし、相手にしない方針を貫いています。

 人の粗探しばかりしている人間は卑しい人間ですから、どだい文章も読むに耐えません。それが平気で読めて、議論(?)できる人が私は信じられないなあと思うだけなのです。かといって、「良い人」なら「良い文章」を書けるものではなく、やはり文章を書く技能は身につけていかなければならないと思います。
 主語述語が明確で、語彙の像が明晰で、味のある表現で、人柄も自ずとにじみ出るそんな「意到り筆随う(したがう)」の境地は遠い理想です。

 あまり人様のことをあげつらうのはどうかと思いますが、世間にはたしかに上手いし、味がないわけではない文章があります。名文と言ってもいい上手なものはあります。でも、そういう文章はサッカーのベッカム選手みたいにイケメンだけど中身が何もない男に似ています。

 読むに値しない名文は、小説家に多いし、新聞の社説なんかはほとんどそうです。蘊蓄はあるし名調子なのに読んでも得るものがない。
 論説委員なんぞは、蘊蓄を気障にひけらかし、拙芸を售って(うって)口を糊(こ)するを恥辱とせぬ手合いというほかりません。実際、新聞販売店に「押し紙」を強要して不当な売上げをあげて平然としているのですから、内実は暴力団です。

 読んでわかり、得るものがあって、しかも機知に富んでいて面白い、そんな文章が書けるようになりたいものです。それを目指して10年、ブログを書いてきましたが…。



posted by 心に青雲 at 04:00| 東京 ☀| Comment(7) | エッセイ | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
10周年おめでとうございます。
小生にては、弁証法の素晴らしさを教授して戴いた10年弱の中で、青雲さんはじめ南郷学派の先生方との観念的な「像」の私淑から、○村先生とのいう実像との弁証法的変化発展に至りました。
今後とも、志しの高い人間の美しさを教えて下さい。
Posted by tetsu at 2016年06月22日 12:22
十年ですか。私はこちらにおじゃまするようになって三年くらいかな。それほどまでに毎日続けられるのはすごいことです。
いつも勉強させていただいてます。
これからもどうぞよろしく。
Posted by 青シャツ at 2016年06月22日 13:46
tetsu様・青シャツ様
コメントありがとうございます。
激励をありがたく頂戴し、精進してまいります。
Posted by tetsu様へ・青シャツ様へ(ブログ筆者です) at 2016年06月22日 18:42
筆者様

「心に青雲」開始から10年の記念日、心よりお祝い申し上げます。

変わらず毎日、過去記事、同コメントと並行して拝読いたしております。

私が「心に青雲」の読者の一人となって、まだ短い時間ですが、筆者様と10年の歴史を敬慕いたします。

      中野瑞穂
Posted by 中野瑞穂 at 2016年06月22日 19:33
おめでとうございます!10周年ですか。。。10年かける365日で、3500もの文章をたゆみなく世の中に出してこられたことに感服いたします。すばらしいです。心に青雲ブログのおかげで、多くの目覚めがあり、沢山のことを学びました。ただ、実践が伴っていないため、レベル的には大変に低い位置にとどまっているのが我ながら情けないです。
今後とも、引き続き、心に青雲ブログを学びの場として拝読させていただければ幸いです。
Posted by 奈々氏 at 2016年06月23日 20:59
中野様

お言葉、ありがたく…。まだまだがんばって続けていこうと思います。
Posted by 中野瑞穂様へ(ブログ筆者です) at 2016年06月23日 21:22
奈々氏様
コメントありがとうございます。
本文に書きましたように、毎日書いていたら3500もの文書になっていたかもしれませんが、日曜日は原則書いておりませんし、休んだときもあり、再録もあったので、ざっと2870くらいかな、と計算したまでです。
今後もよろしく。
Posted by 奈々氏様へ(ブログ筆者です) at 2016年06月23日 21:31
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