2016年07月23日

「切り上げ剪定」の素晴らしい未来


 このブログでときどきコメントをくださる「B4」さんは、某県で果樹園を営んでおられる。
 青森でリンゴの自然栽培を成功させて有名になった木村秋則さんと同じように、無農薬・自然栽培を志して、取り組んでおられる。
 私も毎年秋に、とれたてのリンゴを送っていただき賞味しているが、実においしい。とてもじゃないがスーパーあたりで売っているリンゴが食べられなくなった。

 あの味わいは、格別の爽やかとか甘さとかしか表現できないが、これまでのリンゴのイメージを覆すものであった、「これぞ本物!」とでも言うしかない。出汁の話をしたときに、天然最上級の羅臼昆布の出汁は隔絶した旨さだと書いたが、それと似ている。
 丸元淑生氏が、「かつお節に見えればかつお節とする思想」=「安ければいい、手軽ならいいとする思想」と批判していたことを紹介したが、スーパーで売っているリンゴは、それと同じ思想なのである。「リンゴに見えればリンゴとする」というありよう…。

 多くの果樹園は、本物の果物をつくって売りたいはずだが、しがらみや、損害を怖れて二の足を踏んでいると思う。だから「リンゴに見えればリンゴ」というものをつくって商売する。この現状を変えていくのは、至難の業である。

 それでもなかなか完全無農薬・自然栽培の実現は難しいらしい。土地土地で風土も変われば、毎年天候も変化する、隣接の農園から農薬飛沫(ドリフト)が飛んでくる。などなど、栽培は一筋縄ではいかない。それでも諦めずに「B4」さんは、完全無農薬・自然栽培を諦めておられないそうだ。立派な志である。

 彼から先日、今年のりんご栽培の途中経過のご報告をメールでいただいた。その中に、「今年は年初に『切り上げ剪定』という理論があることを知り、2か月おきの講習会参加しています」とあった。
 「切り上げ剪定」の以下の話を聞いて私は感動してしまった。

     *     *

 「切り上げ剪定」を提唱・実践し、現在国内に広めておられるのが、道法正徳(どうほう まさのり)さんです。あの、永田農法(トマトに水遣りを抑えてフルーツトマトにする)を90年代に成功させた緑健という会社におられたそうです。
 切り上げ剪定とは、枝を上方に伸ばし、樹勢を高めて植物ホルモン効果により、病虫害を回避するものです。

 これは、理論に叶っていまして、現代の慣行農法の抱える矛盾を解決する一助です。樹勢を弱め、花芽と実を多くつけさせてその中から良い物を選ぶ、つまり樹の体力を消耗する現代の果樹仕立て。

 私は、このままでは、木村秋則式に食酢散布では移行できない・・・という結論に至りました。
 既にこの剪定方式で、福島市の紺野さんは4年目、慣行栽培園のなかの4本のふじに直接農薬散布せずに収穫・・・鈴なりになっておられます。

     *     *

 これは東洋医学的考え方ではないか。西洋医学的な栽培法が、従来の果樹の農法である。それが見直される時代になってきたのだろう。自然農法を初めて言いだしたのは「わら一本の革命」(1975年)の福島正信だった。
 彼は、不耕起(耕さない)、無肥料、無農薬、無除草を特徴とする自然農法を提唱したが、まだ完全実施には到達できなかったようだが、それから彼の志を引き継ぐ若者がしだいに増えてきたのである。

 日本では異端扱いされ、農薬会社、農協、木っ端役人、それにマスゴミが組んで妨害した。だからなかなか広まらなかった。しかし多くの人々の地道な努力が徐々に浸透してきている。日本よりむしろ海外で注目され、成果が報告されるようになってきた。
 日下公人氏は「世界は日本のリーダーシップを待っている」と言うが、こういう栽培法にも現れているのである。

 切り上げ剪定では、「枝を上方に伸ばし、樹勢を高めて植物ホルモン効果により、病虫害を回避する」とある。この考え方は西洋流にはない。西洋の考え方、栽培法のまずさがここにも及んでいたのか、と改めてゾッとする。西洋の医療の大欠陥も、従来の例えば果樹や稲などの栽培にも通暁している。

 東洋医学は、果樹の樹勢を高めると同様に、人体のいわば“樹勢”を回復させて、病気を治していくやり方なのである。
 西洋式農法は、たしかにあらゆる農作物の収穫量を増やし、品種改良で実を大きくしたり病害虫に強くしたり、農薬を登場させはしたが、今もあちこちで、干ばつが起きても、病虫害が発生しても、有効な対処が打てていない。

 アフリカなんかはその最大の犠牲者である。
 しかもそうした人工的栽培では、人間を癌や精神病などの病気に至らしめる。農家の人も消費者も。穀物や野菜、果物が農薬漬けであることは常識であり、その自然から離れた作物を食べることで、私たちがこれまた西洋医療の世話になるというひどい悪循環に陥っているのだ。

 そういった現状を変えなければ人類の未来は暗い。人類の暮らしは、モンサントを筆頭にメージャー企業がカネ儲けを邪魔されたくないゆえに、健全なありかたを妨害されている。奴らはアフリカで何千万人飢餓になろうと知ったこっちゃない。
 それを変えられるのは、日本だけである。日本人が主体性を回復させれば、日本が世界の希望の星になる。

 「切り上げ剪定」の試みは、そういう希望の星なのである。





posted by 心に青雲 at 04:00| 東京 ☔| Comment(1) | エッセイ | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
切り上げ剪定を取り上げていただきまして、ありがとうございます。

果樹、野菜へと現在広まっている最中です。

今年も春から天候が不順です。
気温の高さ、少雨(あるいは多雨)などが影響して、家庭菜園でも生育を安定させるのに毎年腐心します。

種まき、定植の時期、水遣り、肥培管理 等々教科書通りの従来対応では難しくなってきてますので、基本となる生命力の強さが必要だと実感しています。
Posted by B4 at 2016年07月25日 18:16
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